光光太郎の趣味部屋

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映画:エイリアン 〜手助け無し!知恵と度胸で立ち向かえ!〜

こんにちは。光光太郎です。

 

高橋ヨシキのシネマストリップ 戦慄のディストピア編」が発売されました。

高橋ヨシキのシネマストリップ 戦慄のディストピア編

 

観れてない映画が多いなぁと思いつつヨシキさんの名文を読んでいると、中学時代から親しんできたSF作品の項目が。

 

ということで、今回は「ジョーズ」の様に言葉の意味を変えてしまった映画、リドリー・スコット監督作

 

エイリアン

 

の感想を綴っていこうと思います。10年来の付き合いだぜ。

 

 

◼最近観た時のツイート

 

 

◼エイリアンとの出会い

モンスターや怪獣が好きだった子供時代。しかし中学生になると日本モノはしゃぶりつくし(ウルトラマンTVシリーズは全部観れてなかったけど、レンタルする金が無かったんで…)、次は洋モノだ!と、モンスターが出る洋画を観るように。

 

幸運なことに洋画好きな友達がいたので、DVDを借りてよく観ていました。最初「これで映画好きに目覚めた!」と手渡されたのは「エイリアン4」。いい友人を持ったものだ…。

 

その流れで出会ったのが「エイリアン」。エイリアンは雑誌や中古屋で見たことはありましたが、映画は未見。最初はエイリアンというモンスター目当てだった「エイリアン」ですが、マシンデザインに心を捕まれ、ノストロモ号船員達のグルーヴにアコガレを感じ……まぁのめり込んで観ていた記憶があります。誕生シーンで仰け反るわけですが。

 

「エイリアン、すげぇ面白かったよ!」「だろ?」で意気投合し、その後は「プレデター」やら「アナコンダ」やらを借りていきました。ガメラも好きだったかな?彼らがいなければ、今程映画に触れていなかったかもしれません。

 

 

◼エイリアンに出てくるエイリアン

「エイリアン」に関するアートワークは多数出ています。

エイリアン|アーカイブ [Alien: The Archive][H.R.ギーガートリビュート ハードカバー]

エイリアン・コンプリートブック

なのでたいして詳しくない私がどうのこうの言うのは憚れるのですが、あの素晴らしい存在について色々書いてみたいわけです。

1作目に登場するエイリアン・モンスターについて、さらりと紹介。

 

①フェイスハガー

エイリアンは形体変化を重ねて「完璧な殺戮生物」へとなっていくモンスターです。しわしわの皮膚に包まれたような「卵」から産まれるのは「フェイスハガー」と呼ばれる虫と海老の悪魔合体みたいなモンスター。ビラ星人みたいなやつです。

Xcoserコスプレ ハガー フェース 怖い マスク ラテックス ハロウン 仮面 マスクコスチューム道具グッズ mask

 

敏捷な動きと跳躍力、締め付けパワーによって他生命体にしがみつき、種を産み付けます。1作目では動いている姿はあまり映りませんが「エイリアン2」「エイリアンVSプレデター」では八面六臂の活躍。超スピードで動く節足と言うと、地方在住の方ならすぐ思い浮かぶ奴がいるでしょう…フェイスハガーは革新的なデザインであると共に、その恐怖性は案外身近な所から連想できるもの。だからこそ、恐いしキモイ。

 

②チェストバスター

産み付けた後は死亡するだけというのも潔いですよね。そして、産み付け先の生物の胸を突き破り誕生するのが「チェストバスター」。

 

エイリアン2 エイリアン チェストバスター Alien 2 - Statue: Alien Chestburster

 

 こいつはどの作品でも一瞬しか映りませんが「胸を突き破るシーン」が印象的すぎて、エイリアンシリーズを象徴する存在になっていると思います。また、チェストバスターは寄生先生物の特徴が遺伝するらしく「エイリアンVSプレデター2」ではプレデターに寄生したチェストバスターが最終的にプレデリアンへと進化します。

 

③ビッグチャップ

卵→フェイスハガー→チェストバスターと来て、最終進化形態が一般的に知られるエイリアンの姿です。1作目では「ビッグチャップ」という名前が付いており、後続の個体に比べると頭部がヘルメット調だったり頭部が白っぽかったり頭部がもろに男性器だったりするのが特徴。

エイリアン ビッグチャップ 1/3スケール・スタチュー

フェイスハガー、チェストバスターが割と大写しでスクリーンに出るのに対して、ビッグチャップは全身が殆ど映りません。大柄な体格に対してどこにでも潜り込むことができ、決して集団の中に突撃していくことはなく、一人また一人と船員達を葬り去っていく…正にホラー・モンスター。またメカニカルな外観のため、宇宙船内部の様々な場所にカモフラージュし潜むことが出来るのです。

 

 

■エイリアンの機能美

今作の中ではエイリアンが結局なんであるのかは明言されません。殺戮に特化した完全生命体である、とだけ、劇中の人物が語るだけです。殺すための機能が詰め込まれた無駄のない「美しい」生物を、観客が船員と同じ視点で目撃していくことに今作の面白さがあります。

 

まず、各形体の血液は全て強い酸であり、人間の皮膚はもとより宇宙船内装等も簡単に溶解します。殺されようが必ず相手を道連れにするか、被害を拡大させるわけです。事実、ノストロモ号はフェイスハガーの血によって船体に穴が空き、真空状態になりかけました。つまり「殺せない」ので、フェイスハガーは「チェストバスターを産み付ける」か「酸で被害をもたらすか」のどちらかを確実に実行できます。また、フェイスハガーの身体は全て「しがみついて種を産み付ける」為にあり、それ以外を行う箇所は一切ありません。食事も排泄も感情も何もなく、目的を果たす為だけの最低限最大限の機能しかない。

チェストバスターは言わずもがな、チェストをバスターするための存在。逃げる為の足もなく、突き破ることのみに特化しています。

 

コトブキヤ ARTFX+ エイリアン ビッグチャップ 1/10スケール PVC製 塗装済み簡易組立フィギュア

 

そしてビッグチャップ。第二の口は人間の頭蓋骨をたやすく突き破り、その尾は人体を貫く。音もなく忍び寄り、恐らく真空中でも生存できる…あの限界状況では、どうあっても倒せそうにない。成体のデザインはそこまで機能特化というわけではないが、アンバランスな頭身体、感情の読めない顔、真っ黒なカラーリングと、見る者に恐怖を抱かせる要素ばかり。「殺人を戯画化したモンスター」それがエイリアンだ。

 

 

■与える恐怖が変化するモンスター、エイリアン

続いて、エイリアンがもたらす演出効果について触れていきたい。今回は映画の感想じゃなくてエイリアンそのものについての話が多いな!

 

何度も述べてきた通り、エイリアンは卵→フェイスハガー→チェストバスター→成体と形態変化していく。それに伴って、恐怖演出も変化していく。だが通底しているのは「何をされるか分からない」ことだろう。

 

まず卵だが、これはもう見た目が怖すぎる。そしてそこから飛び出してくるフェイスハガー!未知のものを発見しておっかなびっくり近づく→いきなりキモイ奴が飛び出すと。ここまでかなりじっくりとSFを描いているので、モンスター的ビックリ恐怖よりも「何か不可解なことが起ころうとしている」怖さがある。

 

続いてフェイスハガー。2では襲われる恐怖が強調されているが、1ではしがみついてからが本番。何のために引っ付いているか分からないし、何故人間が生かされているかも不明。科学的生物的考察が行われていくが殆ど有効でなく、緊張感が続いていく…SFサスペンスだ。まぁキモイ生物が顔面に引っ付いてるのを観るだけでも十分怖いけど。

 

トリは成体、ビッグチャップ。前述した通り、どこに潜んでるか、どこから襲ってくるか分からないという恐怖を与えてくる。しかもどうすれば殺せるかもわからない。打つ手がほぼ無い状態で戦わなければならないという焦り。だからこそ、限られた資材と空間を活かして知恵を振り絞って立ち向かっていくリプリー達がカッコよく見えるのだ。

 

この様に、エイリアンが進化していくのは映画を面白く怖くするために必要なことであり、全く無駄ではないのだ。ハッタリだけじゃない!!

 

 

■〆

長いなぁ…そろそろ〆だよ。

SF感の素晴らしさ、一切手を抜かないサスペンス演出、ギスギスした船員たちのドラマ、リプリーの逞しさ、アンドロイドのグロさ等見どころがかなりある映画だが、何よりもやはりエイリアンというモンスターを推したい!2のバンバン登場してドンドン殺されるエイリアンも好きだけど、1体のみで宇宙船を壊滅に追いやり秘密が全く明かされない神秘的な存在として描いた1作目も大好きだ。ポップアイコンになりすぎた感もあるが、是非舐めずに一度見てもらいたい。リプリーが超絶カッコいい吹替もおススメ!もうすぐHuluで配信されるしね!!

 


エイリアン 日本版劇場予告篇

www.happyon.jp