光光太郎の趣味部屋

Twitter感覚で趣味や心情、言いたいことをつらつらと。

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」公開前に、ゴジラの思い出を振り返る

こんにちは。光光太郎です。

 

5月31日に「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が公開されます。

2014年のレジェンダリー版、ギャレス・エドワード監督「GODZILLA」の続編にして、モンスターユニバースの最新作。

 

www.godzilla-movie.jp

 

アニゴジがありシンゴジがありレジェゴジがありと、ここ数年でゴジラ最新作が立て続けに発表されていますが、2014年以前は全く考えられなかった事態です。そもそも「巨大特撮」というジャンル自体が風前の灯火でした。いや〜本当に、本当にいい時代が来てくれた…!!生まれた時からゴジラを浴びてきた身としては、感無量ですよ。

 

いや、別にゴジラシリーズが最高絶対の映画シリーズである!とまで思っていません。ドラマが冗長だったり怪獣バトルが地味だったり過去映像使いまくりだったりと、色々タルい所も多い。しかし、ゴジラシリーズや東宝特撮映画にしかない魅力は確実に存在し、だからこそ20年以上も惹かれ続け観続けているんです。

 

という訳で今回は、私がゴジラ・コンテンツとどう関わってきたか?を綴っていければなと。回顧録

 

 

 

◼幼少期 〜VSシリーズ〜

父がゴジラシリーズを始めとした特撮作品好きで、幼稚園時代から色々見せてもらっていました。この時期に観たのは「ゴジラ(1954)」「ゴジラ対メカゴジラ」「ゴジラVSメカゴジラ」かな?これらか「ロッキー」か「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」が映画初体験だったはず。

 

ゴジラ [DVD]

この正方形のDVDだった!

 

まぁまだ昭和ゴジラによく出てくるガキよりもずっと年下だった私ですから、ゴジラを見せられても全く分からないわけです。父が隣で「核の脅威が…オキシジェンデストロイヤーが…怖いゴジラが…」と説明してたらしいんですが、幼稚園児が分かるわけない。

話のスピードが早い上に登場人物も台詞も多く(よく聞こえないし)、大胆な省略カットも多用されているので映像を追いかけるだけで精いっぱい。映画として真面目に、しっかりと観れるようになれたのは大学入ってからだったな…。

しかし、人間が全く太刀打ち出来ない存在であること、海の中で神秘的に科学的に死んでいくゴジラの姿は痛烈で、その不可思議さ、理解できなさがあるからこそ、当時にウルトラマンガイアやギンガマンを観ても初代ゴジラの印象が全く弱体化しなかったのだなと。

 

ゴジラVSメカゴジラ[?嶋 政宏][Laser Disc]

これはレーザーディスクですが、VHSも似たようなパッケージだったはず

 

何回も繰り返し観ていたのはVSメカゴジラ。レンタル落ちじゃないビデオがあったので、そりゃもう毎日の様にビデオデッキを回してましたよ。この頃は「ロボット、怪獣、ヒーローが出ないモノはクソ」というとんでもない偏屈野郎で。「怪獣と合体ロボが戦う」話はドストライク。家にメカゴジラのフィギュアがあったこともあり、メカゴジラVSタイムロボαとかを妄想しながら遊んでましたね。よく覚えているのは、無音で引きの画で演出されるラドンの登場シーンと、調査隊が岸壁にいる中で海から現れるゴジラのシーン。すげぇ怖い!!!!

 

ゴジラ対メカゴジラ」は…とにかく首折りシーンばかり観てましたね(笑)。父が幾度も巻き戻して観てました。メカゴジラへの変身シーンも巻き戻してたかな?

 

こういった歪んだ英才教育を受けながら自分でもテレビマガジンの特集や図鑑等で自習を進め、小学校入学前には一端のゴジラ少年へ。ウルトラ怪獣ガメラ等についても勉強しましたが、やはり「怪獣王ゴジラ」は別格として認識してました。ヒーローかヒールか?には無頓着でしたかね。

 

あと特筆したいのはヘドラ。映像は観てなかったんですが、父から「最強の怪獣」として紹介され、どんな怪獣なんだ?どんな戦いなんだ?と必死になって調べてました。実際観てみたらとんでもない映画だったわけですが(笑)。

 

◼小学生低学年 〜白目からFWまで〜

 知識を得れば、映画館で観てみたいと思うのがオタクの常。 2000ミレニアム、メガギラスに行きたい!と懇願するも叶わず。やっと行けたのは小学1年生になってから。2001年冬のこと。そう、「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」。

 

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

同時上映は「劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険」。ゴジハム君持ってたね。

 

 このGMKは、初の1人映画体験でもありました。よりにもよってこれが初(笑)。

とにかく映画館で観たくて、母と妹が別な映画観てる間に私一人だけゴジラ。やたらリアリティーある映画が始まって戸惑う…というか、必死に食らいついて観てた気が。唯一覚えているのは、最後ゴジラの体をぶち破って潜航艇さつまが出てくるシーン。強烈なあおりで海から出てくるゴジラが非常に印象的でしたよ。

パンフレット買ってもらったんですが、怪獣解説よりもメイキング重視の内容で、なんでキングギドラに人が入ってるんだ?とか思いながら、不思議な本だなと思いながら読んでましたねぇ。

 

そして機龍2部作。これは父と一緒に行きました。ハム太郎では寝てましたね(笑)。

 

ゴジラ×メカゴジラ <東宝Blu-ray名作セレクション>

 とんでもなくカッコいいポスター。メカゴジハム君。

 

ゴジラ×メカゴジラ」、もう機龍にやられてしまいました。こんなにカッコいいロボット怪獣がいるのかと。間違いなく怪獣なんだけど、外部武装によって醸し出されるミリタリ感が最高なんですよ。あのケーブルとかね!武装一つ一つに漢字の武器名が振られてるのにも燃えた。

何より感動したのは病院を襲うゴジラを超スピードのタックルで吹っ飛ばすシーン!あの一瞬が今作の白眉だと思いますね。スピーディーかつ柔軟な戦闘を行う機龍とゴジラもカッコよい。

 

これには父も感動したらしく、えらくデカいフィギュアを買って飾ってましたね。

東京SOSの思い出はあんまり無いな…(笑)。アブソリュート・ゼロの代わりに三連メーサーが搭載された、って設定には熱くなりましたが。

青島文化教材社 ゴジラ×メカゴジラ MFS-3 3式機龍 全高約24cm 色分け済みプラモデル GO-01

青島文化教材社 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS MFS-3 3式機龍 改 全高約24cm 色分け済みプラモデル GO-02

 SOS版の機龍はバックパック等の紺色がないのでヒロイックさに欠けるのよね

 

ここら辺で確かスカパーにてゴジラ特集が組まれ、過去のゴジラ作品(エメリッヒ版含め)をバンバン放映していたんですよ。そのCMにて初めて対ヘドラの映像を観た…衝撃でしたね。

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落とし穴でヘドロを流し込まれてもがくゴジラ…最強怪獣であるはずのゴジラが蹂躙されるのは、自分の価値観や理想、夢等を全部ぶち壊された様なショックでした。映画を観たら更にショック、というよりわけが分からなかった(笑)。これも高校か大学辺りでようやっと理解できるようになりましたよ。

 

2004年、ゴジラ最終作と銘打たれた「ゴジラ ファイナルウォーズ」も勿論劇場に観に行きました。この映画が評判悪いってことはTwitterやるまで知りませんでしたよ(笑)。ゴジラ怪獣大集結!大興奮で行きました。CMで観たクモンガ・ジャイアントスイングが好きで好きで、よくマネしてました。

ゴジラ FINAL WARS

このポスターにワクワクしないわけがない

 

冒頭で語られる怪獣対人類の歴史、怪獣が世界各地に現れることを報告していく通信士、各都市を蹂躙する怪獣たち、満を持して登場する最強最速の怪獣ゴジラ!!非常に燃えるシーンの連続に手に汗握ってねぇ…。「怪獣総進撃」という前例があるものの、当時は観てなかったし、恐らく観ていたとしても、今作の方が面白い!と言ったでしょうね。

 

ファイナルウォーズはプロレス的な、ゴジラとあの怪獣が戦ったらどうなる?を短いスパンでドンドン見せていくわけですが、これに小学生の妄想脳は大変影響を受けまして。もう観た後は「俺が考えたファイナルウォーズ」を空想しまくりました。劇中でゴジラは南極から東京を目指すわけですが、北極からは地球の切り札として機龍が出撃し、各怪獣達と戦いながら東京へ突き進む…戦うのはビオランテ、スペースゴジラ、オルガ、メガギラス等、ゴジラと関りがある怪獣達。ジェットジャガーも一緒に戦うとかも考えてたかな(笑)。

 

ファイナルウォーズ以降、ゴジラ映画はギャレゴジまで作られず…。更に言えばウルトラマンシリーズもメビウスで終わり…怪獣コンテンツ冬の時代がやってくるわけです。巨大特撮はスーパー戦隊のみ…私も特撮よりかはロボットアニメ畑に移行していきました。

 

◼中学から高校 〜昭和シリーズ掘る〜

 

この時期ではもう殆どゴジラを観なくなっていて、年1、冬に行事として観る位でした。たまにスカパーでゴジラシリーズがやれば観る、父がDVD引っ張り出して来たら観る…それくらいでした。

その中でも、観ていなかった昭和シリーズをちょいちょい観ていましたね。ぼんやりと…。ここら辺は幼少期よりも記憶がないんですよ(笑)。本当にゴジラ冬の時代だった…。

 

いや、確かファイナルウォーズの前後辺りに、地元の美術館でゴジラ展がやってたな。劇中使用された模型やスーツが展示されてて、父と一緒に行った思い出があります。

 

◼大学 〜パシフィック・リム、そしてギャレゴジ〜

大学1年生、2013年。あの、映画史としても、特撮史としてもエポックメーキングとなる映画「パシフィック・リム」が公開されました。勿論劇場で鑑賞。冒頭の出撃シーンで涙を流し、香港決戦では興奮しすぎて死にそうになるなど、それはもう楽しみました。Twitter始めたのもここらからで、特撮史やデルトロを絡めた様々な感想、評論を漁りに漁ってましたなぁ…。

 

パシフィック・リム(吹替版)

 

そして、ハリウッド版ゴジラ、ギャレス版ゴジラが公開されたのが2014年。ファイナルウォーズから10年。まさか、またゴジラを映画館で観ることが出来るとは!!人間を皆殺しにする怪獣王ゴジラを楽しみにしていた身としては、あの絶望的な予告に心底ワクワクしましたよ。

 

 

 当時こんなこと言ってるけど、相当嬉しかったですよ。観てみたらVSものだったし、ゴジラは結局人間の味方っぽいし、想像とは全然違いましたけど。「タメにタメての熱線」やられたら、そりゃ燃えるに決まってる!!!!!!

 

 

この頃はシリーズ化が明言されていただろうか?モンスターユニバースやキングコング映画が発表されていただろうか?覚えていないが、間違いなく巨大特撮界隈は大いに盛り上がっていた。ウルトラマンギンガも始まったしね。

 

 

◼大学 〜シン・ゴジラという現象〜

シン・ゴジラ

そして2015年。満を持して 、日本でゴジラを作るぞ!という知らせがやってくる。

 

 ここら辺で長めの予告が投下された。

www.youtube.com

 

 

とまぁ初報からのツイートを色々漁ったわけですが、実の所ここまで期待一辺倒でない空気もありました。正直手放しでほめられるゴジラ映画って殆どないし…手掛けるのがアルティメットオタクな庵野監督と樋口監督というのもあり、マニア向けで終わるのでは…?との心配も…。

 

 

いやぁ不安がってますね…。そして、遂に公開。

 

 

 あまりの面白さ、その衝撃。今ゴジラ映画を作った意義。初回終わった後すぐに次の回のチケットを買ってました。その後は色んな友達と観まくり、1人でも観て、再上映でも観て…合計で8回位は観てるはず。それでも全く飽きないのは、映画鑑賞体験のデザインが余りにも見事だからでしょう。

 

ゴジラ映画が内容も批評もオタク受けもよかった。何よりも日本のマジョリティの興味を引き面白がらせることが出来た。SNSだけでなくマスコミでも取り上げられ、興行収入が80億円を超え(HEROや海猿よりも上)、日本アカデミー賞では10冠達成。

 

TVではウルトラマンも列伝枠から外れて単独作のオーブが作られたし、怪獣コンテンツは完全に蘇ったのだ!!!

 

bright-tarou.hatenablog.com

前ブログで書いたシン・ゴジラ感想記事。長いよ!!

 

bright-tarou11253350.amebaownd.com

 同じく前ブログで書いた、福島での展示会レポート。今では全国巡業してるとか。

 

◼社会人 〜アニゴジ戦争勃発〜

さて、シン・ゴジラ公開後、今度はゴジラをゴリゴリのSFとして、アニメでやるとの発表が。しかも脚本はあの虚淵玄まどマギ、鎧武、サイコパス、楽園追放の虚淵玄となれば期待も一入ですよ。

www.cinematoday.jp

虚淵玄は様々な作品において、ジャンル的お約束事に論理的視点を盛り込んできました。なので虚淵ゴジラは、ゴジラという存在を問い直し再定義化する作品になると予想していましたが、これはほぼその通りだったかと。

 

アニゴジ、もとい「GODZILLA 怪獣惑星」を観たのは社会人1年目の頃。

 

GODZILLA 怪獣惑星

 

本当にね…思考実験としてはとてつもない面白さなんですよ。数々の怪獣が出現した怪獣東宝特撮世界を、リアルな視点で語りなおしたらどうなるか?ゴジラや怪獣に負け続けた人類はどうなるのか?何故ゴジラは無敵なのか?正に虚淵節と言える、理屈積み重ね台詞のカタルシスに飲まれる、あの感覚。しかし、映像面でお遊びや革新性がほぼ無いってのが痛すぎるんですよね…。

 

この後、アニゴジは続編が発表され最終的には三部作となりました。え!?続編あるの!!??ってのをとんでもないネタバレフライヤーで知った方も多いのではないでしょうか。

 

アニメーション映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』オリジナルサウンドトラック

 

2作目の決戦機動増殖都市、メカゴジラ編はアニゴジで一番好き。

 前作ではゴジラ抹殺=人の尊厳を奪い返すことだったが、今作ではこの構図が壊され、人であることを捨ててでもゴジラを殺すのか?と問われる。生態系を支配(生物が模倣、順応した?)して地球そのものと化したゴジラを倒すために自己進化を重ね、原形を留めない都市型へと変貌したメカゴジラもまた、その是非を問うている。

シン・ゴジラ東宝特撮の過去作品が「怪獣出現という事象にどう対応するか?」という問題解決型だったのに対し、アニゴジは「怪獣出現によるイデオロギーの変化」を扱っているのだろう。

 

3作目、最終章でキングギドラ。星を喰うもの。

いやこれは全然ダメですね…。1、2作目の悪点だった「つまらない会話シーン映像」が滅茶苦茶増えた上に「変化に乏しい戦闘シーン」も激増。論理的を超えて観念的になった問答の数々…全く擁護できませんね。明確な良点を挙げるならば、キングギドラの初登場シーンでしょうか。キングギドラが常識外の存在であることをこれ以上ないほどの論理的台詞の応酬と迫りくる「首」で示す…ここはアニゴジでも屈指の名シーンでしょう。あ、あとセックスの直喩もありましたね。最高!

 

アニメーション映画『GODZILLA 星を喰う者』オリジナルサウンドトラック

 

そして当然と言うべきか、興行面では鳴かず飛ばず…。こちらのサイトのデータでは、2作目を合わせても興行収入が5億以下…。元々Netflix資本のアニメ作品として企画されていたものを劇場用にしたらしいので痛手はないのかもしれませんが…。

pixiin.com

色々と文句を言ってきましたが、怪獣を巡る思考実験として無類の面白さがあるのは間違いありません。ゴジラメカゴジラキングギドラそれぞれが「何故強いのか?」という説明も過去作オマージュがふんだんに込められていますしね。

 

まぁでも前日談小説2冊の方が圧倒的に面白いけどね!!!!!!!

GODZILLA 怪獣黙示録 (角川文庫)

GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ (角川文庫)

両作ともAmazonレビュー平均点が4.5!!!

東宝特撮映画ユニバース新解釈として、SF短編として、何よりも最強怪獣小説として、無類に面白い!!!!ここで描かれるゴジラはアニゴジ時のゴジラよりかなり小型のはずだが、間違いなく過去最強最悪のゴジラだ。世界各地で怪獣が出現する、ゴジラが神の如く強いなど、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」の小説版と言っても過言ではない!!!

 

◼現在 〜新たなるゴジラへ〜

 さて、長々と振り返ってきましたが、ここで〆にしましょう。

 

5月31日には「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」が公開。そして2020年には「ゴジラVSコング(仮)」が、2021年以降には日本産ゴジラ作品の公開も仄めかされています。

style.nikkei.com

神格化された初代ゴジラ、キャラクターとしてエンタメに特化していった昭和ゴジラ、進化した特撮技術の粋を見せつけデザインの完成形を示したVSゴジラ、ifを見せていったミレニアムシリーズ、そして新時代を切り開いたハリウッドゴジラ、シンゴジ、アニゴジ。

キャラクター力の高さにより存在や解釈が多様化してきたゴジラは一種のメディアと化していると思います。ゴジラを用いて何を語るか?どんなエンタメを魅せるか?幅があるからこそハリウッドと被ることなく日本独自の色が出せる。ハリウッドがプロレスなら、日本はアニメでイデオロギーだ!残虐だ!絵本だ!小説だ!!

 

社会人として真っ当に金を貢げるようになった今、ゴジラが復活してくれるのは心の底から嬉しいですよ…!ゴジラの為に金をためろ!残業をしろ!出世しろ!そして湯水の様に金を出せ!!!!!

 

なかよし ちびゴジラ (講談社の創作絵本)

がんばれ ちびゴジラ (講談社の創作絵本)

 

寛容になれ!!!!!!!!!!!!!!!!