映画:「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」についてヒナタカさんと話したよ+補足
グァァァァアアアアアアオオオオオオオオウウウウウウウウッッッ!!!!!!!!
光光太郎です。
ブログでもゴジラ記事を書き、
HuluやAmazonプライムでゴジラ映画を観まくり、
映画秘宝読んだり怪獣黙示録読んだりしてゴジラ熱を高めに高めて!!!遂に!!!!
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
を観てきましたよ!!!
ってなわけで、今回は自ら「話しませんか?」と脅しをかけ、ヒナタカさんと今作について話し合いましたよ!前説で20分!合計1時間越え!!!深夜テンション!!!!!!
■ヒナタカさんとゴジラトーク
■鑑賞後ツイート
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」観た!!!!!!
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月31日
いや……これは凄すぎる……オタク映画だよ…………究極のオタク映画や…………。
キング・オブ・モンスターズ、VSシリーズをビデオで観て、機龍やファイナルウォーズを劇場で観て胸踊らせた俺にとってはもう史上最高の瞬間が何度もあったね。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月31日
キング・オブ・モンスターズ、余りにも凄すぎて意識を失いかけたシーンがありすぎる。最後まで油断できん。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月31日
キング・オブ・モンスターズ、やはりドハティ監督らしい、伝説に敬意を払え映画でしたね。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月31日
キング・オブ・モンスターズ、久しぶりに一切時計見ずに終わった映画だった。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月31日
もう生まれた時からゴジラを観ている(詳しいとは言ってない)身としては、もうエンドゲーム級の感動があったんすよね、キング・オブ・モンスターズは。DNAに刻まれたものを、鼓動を呼び覚まされるんすよ。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年6月1日
そしてちょろちょろと補足をば。
■小ネタの数々
・ゴジラの泳ぎ方➡ミレニアムシリーズ
・世界各国で出現する怪獣達➡怪獣総進撃、FW
・音波で怪獣を操る➡怪獣大戦争、怪獣総進撃、超ゴジラ(ゲーム)
・人を喰う怪獣➡サンダ対ガイラ
・ギドラの呼称がモンスターゼロ➡怪獣総進撃
・ゴジラを目覚めさせるんだよ!➡FW、VSギドラ
・人間が病原菌➡機動武闘伝Gガンダム
・外来種により侵食される生態系➡ガメラ2 レギオン襲来
・人間と怪獣の共闘➡VSスペゴジ、ガメラ2 レギオン襲来
・マグマの中から登場するラドン➡空の大怪獣ラドンにおけるラストの反転
・戦闘機パイロットを正面から捉えたショット➡空の大怪獣ラドン
・裏切りまくるラドン➡スタースクリーム
・瞳の表現➡VSシリーズ、FW
・海底古代都市&怪獣と共生➡対メガロのアトランティス?
・ギドラの引力光線➡飯塚定雄さんの光線まんま!
・ゴジラに力を分け与えるモスラ➡VSメカゴジラ、GMK
・怪獣を操るキングギドラ➡X星人、キラアク星人
・クモンガ!!
・臥して拝む怪獣達➡アニゴジ(笑)
・溶ける鉄塔➡初代
・怪獣DNA密売組織➡VSビオランテ
・チャンツィー姉妹➡小美人&三枝みきポジション
・どうみてもマーティンスコセッシな人いたね?
・南極での対立構図➡VSキングギドラ
・バーニングゴジラ➡VSデストロイア
・タッグ戦➡対ガイガン、FW
・科学者達が主役➡本多猪四郎イズム
■ゴング
今回は遂に「ゴジラのテーマ」が流れます。あれが初めて流れた瞬間意識が飛びかけましたが、更に素晴らしかったのがギドラとゴジラが対面してバトルに入る時にかかるシーン!ゴジラのテーマは怪獣プロレスのゴングであるのは勿論、人間が怪獣に立ち向かう時の音楽でもあるわけです。
モナークの戦闘機がギドラに攻撃をしかけ、ゴジラへと視点が移っていくのをワンカットで見せるあのシーンに乗せられたゴジラのテーマ…これに上がらないわけがない!!モンスターバース前作の「キングコング 髑髏島の巨神」でも怪獣と人間の共同戦線が大きな見せ場になっていましたが、それを最高の形で踏襲していましたね。
次回作「ゴジラVSコング」では是非に、キングコングを讃えるあの音楽を流してほしいね!
■ドハティ監督の作家性
今作の監督はマイケル・ドハティ。インタビュー等を読むと生粋のゴジラオタク…いやゴジラ教の信者としか思えない偏愛ぶりが垣間見えます。
こちらの記事から少し引用すると、
何にだって、どんな映画にだって、ゴジラを加えればより良くなると僕は思っている。想像してごらんよ、「スター・ウォーズ」にゴジラを足したら、やばいだろ? 「七人の侍」だってさらに良くなる。54年版の「ゴジラ」にゴジラを足したら、ゴジラがダブルで登場してさらにやばい。
映画人というのはやはりぶっ飛んでいますな(笑)。
そして、彼の作家性を如実に表すようなことも答えています。
――ゴジラの持つ“役割”は、各作品によって異なるように思えます。今回、どのような役割をゴジラに与えましたか。
ゴジラは、人類ではなく自然に対する守護者だ。人類が自然のルールに沿って生きている限りは、人類の味方になるだろう。一方で自然に敵対すれば、彼(ゴジラ)は自然の守護者であるため、人類とも敵対する。「ゴジラの役割が作品によって変化する」のではなく、人類の行動によって彼の行動が変わるのだと僕は考えている。そしてキングギドラが自然を脅かすのであれば、当然戦うことになるんだ。
ドハティ監督は今作以前の作品達でも似たようなテーマ「伝説には敬意を払え」ということをずっと貫いているように思えます。監督脚本を務めた前作「クランプス 魔物の儀式」ではクリスマスの伝統を蔑ろにした子供が一家まとめて酷い目に合う話でした。
クリーチャーデザインとオチが秀逸!
同じく監督脚本を務めた「トリック・オア・トリート」は、ハロウィーンの伝統を重んじない奴らが酷い目に合うオムニバス形式の映画。両作とも共通しているのは「伝説を馬鹿にすると痛い目に合う」「伝説を象徴する怪物が、罪を犯した者を罰する」という展開ですね。ここら辺はそのまんまキング・オブ・モンスターズの「地球を守護する怪獣達による文明破壊」に当てはめることが出来ます。
オムニバスです!という前提で観ような
監督ではありませんが「ルール」は都市伝説もの、「スーパーマンリターンズ」もスーパーマンという「軽視されつつある伝説」が再び威光を取り戻すような展開でしたので、やはり「伝説と人間の関係性」はドハティ監督ならではの要素と言えるでしょう。
こんなにモンスターバースにぴったりな方が他にいるでしょうか??これまでは割と低予算かつティーン向けの作品が多かったですが、ハリウッドの巨大マネー&本家本元の東宝と協力することによってそのイマジネーションとオタク・スピリットとやる気が大爆発した結果が「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」なんですねぇ。
■温故知新のゴジラ像
ゴジラというのは非常に多面的なキャラクターであり、時代や作り手の変化によって様々な存在へと変貌していきました。それらすべてを受け止め納得させるだけの存在感、許容性があるからこそ、今日までゴジラは世界中の人々に愛され(あるいは憎まれ)ています。
ならば今回のゴジラはどうなのか?ギャレゴジで示された「地球の守護神」「環境のバランサー」の路線を更に突き詰めたことで、まるで地球がそのまま怪獣化したような、「地球を守る怪獣王」となっています。これは「ゴジラ対ヘドラ」での環境破壊に怒りを燃やすゴジラや「ファイナルウォーズ」での「俺のシマを荒らす奴は許せねぇ!!」というゴジラに近いですね。(今作はやたらとヤンキーの抗争の様に見える場面が多い)
更に言えば、平成ガメラの立ち位置に非常に近い。特に「ガメラ2 レギオン襲来」とは「地球の生態系を破壊する外来種と戦う地球の守護神」というプロット含めてそっくりです。人を喰う怪獣達、主役怪獣により家族を殺された主役という面でも、やはり平成ガメラの影響を感じます。
つまりモンスターバースにおけるゴジラは過去の特撮作品で散々使われてきた要素の集まりであって、正直新鮮味は薄い。しかし、焦点を「実在した伝説=地球と人間の関係性」のみに絞り、歴史や伝承の構築によってリアリティを高め、ハリウッドのド迫力映像で魅せることによって、今まで誰も観たことがないゴジラ像を作り上げているわけです。(環境破壊によって目覚めた古の存在…正に初代ゴジラですね)
3作目にしてコメディ要素が強いキンゴジ。まぁ東宝特撮としてはここまでにかなりの作品を手掛けているので、シリアス一辺倒もどうなの?というテンションだったのかもしれんが。
■それでいいのか!人類よ!
散々絶賛してきましたが、ツッコみどころやおざなりな箇所も非常に多い映画です。むしろ、そうしてでも怪獣達をドンドン出してバンバン戦わせるという方向性に振り切っていると言えるのですが…。とにかく、楽観的で雑な展開が多い!
まずは誰もがツッコむであろう、オキシジェンデストロイヤー!初代ゴジラを倒した超兵器であり、悲劇の天才科学者芹沢博士が作り上げた「原水爆以上の脅威」である兵器と同じ名前だが、何の前振りもなく登場する!!3km圏内の生物を死滅させると説明されるが、どんな理屈なのかは全く分からない!キノコ雲っぽいのが上がるので爆弾やミサイルの類かと思われるが、何故か魚たちがプカプカ上がってくる…というかモナークの人達には何の影響もないのか!!!
個人的には単なる名前ネタで使うのは全然アリだが、それにしても捻りも何もないので面白くはない。アニゴジ前日談の小説「プロジェクトメカゴジラ」におけるオキシジェンデストロイヤーの扱いが非常に見事だったこともあり、今回の扱われ方には正直ガッカリだ。
次に放射能の問題。元々ゴジラは水爆大怪獣、歩く原子力発電所なので、ただ町を通り過ぎるだけでも大量の放射能をまき散らす。モンスターバースのゴジラもこれを踏襲しているはずだし台詞でも放射能について語られるのだが、あの世界では「被ばく」が無いとしか思えない程描写が緩い。
特に顕著なのは最終決戦で、ゴジラがとんでもない量の放射能をまき散らしている!というセリフの後に防護服も何も無しで地上へ降りていくモナークの面々。正気か!!!!
まぁ…日本のゴジラ作品においても放射能の危険性について言及し続けるのは「シン・ゴジラ」位なので、描写の緩さを責めるのはお門違いなのかもしれんが…。
楽観性が極まるのはエンドクレジット。ソイヤ!ソイヤ!と非常にノリのいいお祭り音楽が流れる中、怪獣が本格的に活動を始めたことで地球環境が回復してます!エネルギー問題も解決の見込み!!というニュース文言が次々と流される!
いや…今回の騒動で多分1000万人以上の人が死傷してるはずだし、そもそも怪獣は動くだけで被害をもたらす自然災害なので明るいニュースの裏でとんでもない数の人が死にインフラが崩壊しているはずなのに、そこを一切言わない!劇中で怪獣に襲われる直接的な恐怖等は何度も強調されていたが、それをぶっ飛ばすほどの怪獣崇拝ぶりだ。それでいいのか!人類よ!!
■〆
こんなに長い補足があるか(笑)?とにかく、日本が生んだ恐怖の象徴、多様性の象徴、人間の過ちの象徴…様々な姿を見せてきたゴジラの新時代が幕を開けたことは揺るがせない事実。このお祭りを是非映画館で体感して欲しい!!!!!!是非に!!!!!!