映画:ダンスウィズミー ~やりたいことやってみようぜ!~
こんにちは。
光光太郎です。
映画のアクションシーンとかでつい体を動かしてしまう迷惑な観客が私なのですが、今回は「音楽を聴くと踊らずにはいられない」女性が主人公の映画
ダンスウィズミー
の感想を書きたいと思います。今年一番楽しい映画でしたよ!
■鑑賞後ツイート
ダンスウィズミー、観た!
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年8月18日
今年一番、明るく楽しく笑える映画だ!音楽を聴くと踊り出すという設定をとにかく上手く使ってるなと。これによってミュージカル的な楽しさ、第三者視点でのコメディ、全てを包括したドラマへと繋げてる。歌もダンスも編集もキレキレ!何より三吉彩花が超最高!大好きです! pic.twitter.com/PbcA8QrNrf
ダンスウィズミー、会話シーンも結構あるんだけど間延びした絵面とか一瞬もないよね。役者の魅力もあるだろうが、撮影をかなり工夫してるんじゃないだろうか。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年8月18日
■これぞエンタメ!明るく楽しくキレがいい!
この映画に難しい所は1つもありません。上記ツイートにもある様に「音楽を聴くとミュージカルスターの如く踊り始めてしまう」という設定を活かしたミュージカル風コメディであり、演出もそこに振り切ってます。
ノリのいい音楽にのせてアルティメット美人やパワフルガールがキレキレのダンスをして、更にキレのいい編集で魅せてくれる、映画でしか成し得ない快感が楽しめる。最近映画でかかる音楽やそれに合わせた映像には暴力的なまでの「快感マジック」があるなと思ってるんですが(グレイテストショーマン等)、今作も正にそれ。
話運びにご都合展開が目立つものの、前半でキャラクターを愛してしまった身にとっては全く関係ない!キャラクター達がエネルギッシュに動いていくのを見るだけで楽しいと思わされている時点で、私の「負け」なのです。ロードムービーへと舵をとってからはもう眼福ばかり。降参!
とにもかくにも、笑顔で笑って元気になって、劇場を出てこれる映画なんですよ。これぞ陽性エンタメの極地!やりたいことを、感じたままにやってみようぜ!
踊り始めはこの1曲!
■矢口史靖監督最新作!
「ダンスウィズミー」の監督は矢口史靖。ある時期に青春を過ごした人々ならだれもが知っている「ウォーターボーイズ」を世に打ち出し、その後も「ハッピーフライト」「WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜」等を監督しています。ポップさと映画的深みを両立させ爽やかな快作を作り続ける、日本を代表する映画監督でしょう。
そんな矢口監督の作品を劇場で初めて観たのは前作の「サバイバルファミリー」でした。
電気が突如消滅した世界。自給自足生活をする祖父母の元へ行き生活させてもらおうと旅をする一家の話で、これが非常~~~~~~~に素晴らしかった…。2017年で一番面白かった映画です。 「もし○○が○○だったら…」というシチュエーションを上手く使うのは「ウォーターボーイズ」から一貫していますね。
「サバイバルファミリー」を観た。
— 光光太郎 (@bright_tarou) March 5, 2017
2017年暫定ベストの作品。隅から隅まで「映画」であり、凄まじい完成度の高さを誇るブラックコメディかつ優しいファミリードラマだった。そして映画としてかなりゴージャスな作り。
久々の映画館体験がこれで本当に、本当に良かった。最高の時間だった。
ロケや衣装選び、キャスティングがどれも完璧にハマっていたり、心情の積み重ねを活かしたドラマ運びをしたり、しっかりとド派手な見せ場があったりと「映画でどう楽しませるか?」を考え抜いている。それらは「ダンスウィズミー」でも徹底されており、やはり映画として無類に楽しいものになっていたなと。
私の中で矢口史靖監督は、しっかりと「映画を楽しませてくれる」人という印象になっています。
■三吉彩花とやしろ優のマジック
今作は主演三吉彩花のアイドル映画です。
とにもかくにも三吉彩花が輝いている。
何が良いって、まずダンスがいい。
彼女が演じる鈴木静香はちょこっとやさぐれてるような、ジト目が似合う人物なのだ。そんな人がふとしたことから催眠術にかかってしまい、音楽を聴くと踊りだすようになってしまう!
手足がすらりと長く美しく、体幹もいいのか動きのメリハリが異様に効いたダンスを何度も何度もしてくれる。いい。すごくいい。
そして衣装も凄くいい。
前半は動画の様にオシャレでカッコいいOLなのだが、催眠術師を追いかける旅に出かけてからはTシャツにジーパンと一気に格好が野暮ったくなる。つまり、二度おいしいわけだ。スカートを翻す踊りも、ラフな格好でするスポーティなダンスもいい。
三吉彩花は今作で「美しいコメディエンヌ」としての地位を間違いなく確立しただろう。う~ん、いい、としか話してないな(笑)。
そして彼女に負けず劣らず魅力的だったのが、静香と共に催眠術師を追う千絵を演じるやしろ優だ。ものまねタレントで役者本職でないものの、見事なシネマ女優になっていたと思う。「犬猿」のニッチェ江上にしてもそうだが、女性お笑いタレントの方は役どころによってズバリとハマる人が多い気がする。
さっきっからパワフルだのエネルギッシュだのという言葉を何度も使っているが、今作でそれを担っているのがやしろ優なのだ。なにしろ初登場シーンでは、玉ねぎをまるかじりしている。凄まじいパワーだろ?
三吉彩花と比べると体形は真逆で手足も長いとは言えない。しかし彼女のダンスはどれこれもとことん楽しそうで、観ていると自然と笑顔になってしまう。催眠術で強制的に踊らされている静香と異なり千絵はダンサー志望なので、パフォーマンスで誰かを喜ばせることが本当に好きなのだろう。彼女が歌い踊るシーンは「自分が本当にやりたいことを力いっぱいやっている」シーンなのだ。その笑顔に、心動かされずにはいられなかった。
しかしやしろ優の映画的コメディエンヌな瞬間は、やはりゴミ収集車に走って追い付きそのまま中に入ってしまうシーンでしょうね(笑)。そんなことあるかいと(笑)。結構長めのカットで追いつくまでを捉えるから猶更シュール。
まぁとにかく三吉彩花とやしろ優の2人が並び立った時のマジックが素晴らしいんですよ。画だけでなく掛け合いでも、お互いの存在を潰し合わずに引き立て合っているんですね。映画はキャスティングが9割とも言われていますが、今作は何よりもキャスティングの勝利ではないでしょうか。
■やりたいことをやってみよう!
内容の話を全然してないので少しばかり。
静香は我慢する人物として登場します。大手有名企業に勤めるものの、どこか自分を抑え周りを気にして生活している。催眠術をかけられてからは、踊ることを必死に我慢している。我慢我慢我慢…それは自分の本心を隠すことです。今作は静香が自分の本心と向き合いそれを上手に出せるようになるまでの物語だと言えます。
我慢のタガが外れ踊りだしてしまうと、静香本人にとっては優雅なミュージカルを演じているつもりでも、他人にとっては狂人の凶行にしか見えません。このギャップがコメディ要素でもあるのですが、投稿動画=身もふたもないリアルを見せる演出によって「突然一人で踊り狂いまわりを巻き込もうとする人の恐怖」にもなっている。
顕著なのが、ミュージカルシーンでは成功していたテーブルクロス引きが実際には全部失敗していて料理も何もぶちまけているということ。無理して解放した自己は事故を呼び込んでしまったわけです。
つまりここまでは映像的にもドラマ的にも、静香が行うミュージカルと現実世界とは剥離しているんですね。
しかしそれらが一致する瞬間が中盤に、静香と千絵が旅をし始める時に起こります。
ひと悶着が終わって車中で安堵する静香と千絵。静香はこれから音楽を流すであろうラジオを止めようとするものの、止めない。このままでは踊り始めてしまうのに、止めない。そして流れ出すこの曲!
初めて自らの意志で踊りだす=本心さらけ出す静香。それを見て自分もノリノリで踊り歌い出す=静香の本心を受け止める千絵。
ここで初めて、ミュージカルと現実とがリンクするんですね。心のままにやりたいことをやり、笑顔でそれを一緒にやってくれる友達がいる…泣きました。「サバイバルファミリー」に続いて、望んだことをし出す瞬間が本当に素晴らしいですよ。正直これ以降はドラマ的な大盛り上がりはそんなにないんですが(笑)、ここから2人のわらしべ長者的なロードムービーが始まるので全く問題なし!
■〆
さてそろそろ〆です。
誰が見ても元気になれること間違いなしな、アルティメット美人とパワフルガールの珍道中ムービーとして本当におススメです!舞台でもなくTVでもなく映画だからこそ出来るキレのいいミュージカルシーン編集には体も心も乗せられてしまいますよ。
あ、あとあの結婚式も最高ね!バッチこーーーい!!!
広瀬すず、松岡茉優、土屋太鳳に続いてまたもや応援したい女優が増えました!三吉彩花とやしろ優、応援していくぜ!!!