光光太郎の趣味部屋

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映画:リサと悪魔

イタリアンホラーの巨匠、マリオ・バーヴァ監督後期の作品だけども相変わらず「バーヴァらしい」カメラワークと美術の数々に安心しながら観ていたら……のんびりした前中盤から一転怒濤の展開を続ける後半もまた「バーヴァらしい」要素だ。


バーヴァ作品はイタリアンホラーというよりはイタリアン・ニューロティック・スリラーと呼びたい。すべてをひっくり返していく後半はどの映画も絶品だが、リサと悪魔は何重にも揺さぶりをかけてくる。揺さぶりすぎて訳が分からなくなってくるが、ショックはショックだ。これを味わうための90分である。


今作の舞台はやはり寂れるもきらびやかな洋館。「吸血鬼よりも幽霊が好き」という通り、幽霊っぽい奴等がドンドン出て精神を揺さぶっていく。しかし幽霊にしても殺人者にしてもストロングスタイルなのがイタリア印。特に車で何度も何度も引き殺すシーンはゴシックな雰囲気とのギャップもあり、怖い。


胡散臭い執事にはテリー・サヴァラス。「女王陛下の007」におけるブロフェルドだ!常に飴を咥え頬を膨らませているから恐ろしい立ち位置にいてもどこか愛嬌あるのが彼らしいね。いったい彼は何者だったのか、、最後まで分からなかったが不思議と彼は怖くない。いいか悪いか別として、、