光光太郎の趣味部屋

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映画:ゴジラVSコング

ゴッド・ゴジラキング・コングが挑戦するんですよ!!!


なんてポップな映画なんだ!LUCY並みのバカSFに薄い人物ドラマを添えられた怪獣バトルが熱く燃える。怪獣古典や平成ゴジラへの熱くバカなオマージュもいい。こういう景気のいいやつはやっぱ夏公開だよ!楽しかった!


モンスターバースの特徴は次の3点。
・怪獣は超越的な存在。特にゴジラは地球を守る守護神。タイタンだしね。
・監督の色が強く出る。演出、ドラマ、カメラワークなどなど。
・怪獣が主役。


と挙げつらってみたが、モンスターバースへの一般認識は「ゴジラ達を使って監督が作りたい怪獣映画をとことんやる」ことだろう。怪獣出現シミュレーションと巨大感演出に特化したギャレス監督、スカルアイランドを舞台に戦争モノをやったジョーダン監督、怪獣を崇め奉ったドハティ監督……一応ユニバースというより続編モノの趣が強いにも関わらず好き勝手し放題なシリーズになっている。

しかしゴジラは、怪獣達はそんな作風の違いを全て受け止めてくれるのだ。考えてみて欲しい。1954年から始まり昭和、平成、ミレニアム、シンゴジ以降とゴジラシリーズはシリアスからコメディ、大人向けから幼児向けまで何でもこなしてきている。つまり観客作り手それぞれのゴジラ像は異なって当然であるから、モンスターバースも作風に変化があってもいいのだ。


では今回のアダム・ウィンガード監督はどんなゴジラ映画にしたのか?明るく楽しく燃えまくる、大怪獣バトルモノだ!怪獣は神ではなくキャラクターですと、ケツをかくコングでハッキリと宣言(歴代コング映画で最も早くコングが登場した)。そしてVSシリーズらしいタイトルがドーンと出る!!フォントはファンタジー色強めで後光も射してるぞ!!!テンション爆アゲで楽しんでくれよ!!!と最初から言っているんだから、受け止めるしかない。こっちはゴジラ対メガロ、ファイナルウォーズを経てるんだぞ?


予告でほぼ出ていない秘境冒険要素がなかなか楽しい。キングコング映画はそもそも秘境スカルアイランドへ冒険しに行く話であるし、ロストワールド地底旅行等、特撮や冒険ものの古典作品を意識しているのかも。重力逆転等センスオブワンダーな箇所もちらほら。探検メカ、ヒーブは東宝特撮メカニック感があってこれもいい。

見せ場のゴジラVSコングはどの場面も大迫力で素晴らしい。モンスターバースも4作目だが、最もバリエーション豊かな戦いが楽しめた。洋上決戦、香港決戦共にどちらがどう有利なのか分かりやすいし、決め手も単純明快。最終的にゴジラに軍配が上がり、コングがしっかり「負け」の表情してるので精神的にも肉体的にも決着をつけていたのは良かった。キングコング対ゴジラではなぁなぁだったからね。パンフに載ってた話だが、ビッグ心肺蘇生法はキンゴジのオマージュらしい。これに限らずパンフには実に様々なオマージュネタが解説されているので是非購入して確かめて見て欲しい。


大絶賛派なのだが、否定意見の全てに納得も出来るという不思議な精神状態。ここまで突き抜けて怪獣バトルに特化しているのなら、もう合う合わないの話だと思うしね。

ただ!!メカゴジラだけは全然ダメ。モンスターバース版ゴジラを模したにしては細すぎるデザインだし、デザインそのものにも尖ったものがなく凡庸さを感じてしまう。アサイラム作品に出てるメカ怪獣と言われても納得しちゃうよ。ゴジラの強さをコピーし越えるために作られた機械の怪獣、というアイデンティティを突き詰めたアニゴジ版メカゴジラことメカゴジラシティを見習って欲しい。生態系になったゴジラを倒すには個体ではダメだから、機械の生態系とも言える都市として自身を強化した。これくらいのロジックを持ってデザインし、戦わせて欲しかったよ。

強さもまぁ、スピードとパワーを兼ね備えているのは分かるが、一ヶ所!一ヶ所でも絶望的なまでの戦力差を示すシーンが欲しかった。対メカゴジラの一斉攻撃、VSメカゴジラのスーパー全弾発射並みの見せ場を何故作らない?メカゴジラだぞ!?(機龍は立ち向かう側だから圧倒的でなくていい。)


文句ばかりのメカゴジラだが、ゴジラとコングの当て馬ならこんなもんなのかな…とも思う。でもドハティやギャレスならもっともっと拘ったよ。間違いない。