光光太郎の趣味部屋

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映画:サイダーのように言葉が沸き上がる

サイダーの ように言葉が 沸き上がる、観た!
いやーーーーー良かった!面白かった!夏観るのにピッタリな、爽やかな恋愛青春映画だった!


夏に87分の短い尺でやるのに適した小さな小さな話だけど、決してスカさず手堅い演出でティーン恋愛ジャンル映画としてしっかり魅せてくれる。主役2人は本職声優じゃないものの違和感なく演じてたと思うし、大御所が脇を固めまくってるので安心して観れたな。


彩度高め色鮮やかでポップで適度にデフォルメされた絵がかなり好み。チェリーの感性ではこう見えていて、この可愛い世界を俳句へ表現しているのかも。夏灯がパッと光って、そこから詠むシーンでは創作者の世界に触れたような気がして、思わず泣いてしまった。


あそこはチェリーとスマイルが仲良くなるきっかけでもあるけど、そこは道と川とがクロスする橋なんだよなぁ。こういう上手さを感じる場所がちょくちょくある。


アニメーションの快感では冒頭のモール内チェイスが最高潮か。吹き抜けやガチャガチャ、エスカレーターなど、ショッピングモールあるあるを使ってダイナミックに動く動く。かなりぐにゃぐにゃとカメラが動きパースも激しいが、モールに行きなれている人なら位置関係は把握しやすいだろう。


どうみてもAE○Nにしか見えないよあのモール。外装はあそこまでポップじゃないが、内装は似てる。ポスターもテナントもフォントも配置も何もかもあるあるで変な感動が…。田舎のモールなんて若者にとってコンプレックスの塊だと思ってたが、スマイル達は普通に楽しんでてこれは新しい感覚だなと。


コンプレックスはヘッドフォンとマスクのみにして、それ以外では無し。あそこに住んでいる子供達はとにかく楽しそうで、都市か田舎かってのは今の若年層にはそんなに関係ないのかもな。まぁ田舎っていってもあそこは地方都市レベルで発達してるけどね!!!

田舎のショッピングモールにある小さなデイサービスをあんなに明るく描けるもんなのか!とここでも変に感動したな。表現物すべてにコンプレックスが込められてると思ってること自体が間違いなのかもしれないな。


サイダーのように言葉が沸き上がる、見せ場のような困難はなく克服すべきコンプレックスの理由もぼんやりしているので起伏なくするする進むけど、でもこういう作品があるのもいいよ。ポップな色彩で、郊外の小さな小さな物語をストレスなく爽やかに描く。そんな作品、私はパッと思い付かない。