光光太郎の趣味部屋

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映画:二百三高地

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二百三高地、観た。日露戦争二百三高地戦を描く戦争歴史大作。ロシアを愛し道徳心を持っていたはずの小賀少尉が、優しさ故に情念を溜め込んだ結果ロスケ殺すべしの思想を捲し立てる様を観れただけで3時間分の価値はあった。そして休憩前のさだまさし熱唱と字幕。何にしても圧が強すぎる映画だった。

脚本は仁義なき戦いシリーズの笠原和夫。上の都合で鉄砲玉にされる若い衆や、その上すらも社会や時代に翻弄される無力さ無常さというのはなるほどあのシリーズに似ている。深作監督の荒々しさが無い分よりセンシティブに、悲壮さが際立ってたな。

最近ゴールデンカムイを読んだから観たんだが、不死身の杉元が生まれたのも納得の戦闘は「ハクソー・リッジ」や「1917 命をかけた伝令」と比べても遜色がない。銃剣が口から頬にかけて突き抜けるとか銃弾で頭がぶっ飛ぶシーンは無いが、大勢の兵士が無謀な突撃で何百と死んでいくのは十分グロテスク。

物凄い規模の人数が隊列を組む、突撃する、死屍累々の山を作っているシンプルな画の強さに圧倒されっぱなし。しかしロシア側もまた心を持つ普通の人間として描かれるので、この地獄への怒りをどうすりゃいいのか分からなくなるが、そんなのは外野の視点であって最前線は敵兵を殺すしか道はないのだ。