映画:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス 〜当たり前を大切に思えるヒーロー達〜
こんにちは。光光太郎です。
今回は「アベンジャーズ エンドゲーム」へに向けた振り返りとして、前ブログからMCU映画感想記事をお引っ越しです。
それではそれでは
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お久しぶりです。
光光太郎です。
大学卒業してからパソコンがなくなったので、これからはスマホで細々と更新していこうと思います。サクッと意見を残していこうかと。
今回は最近公開された傑作ヒーロー映画
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス
原題【Guardians of the Galaxy Vol. 2】
の感想を書いていきたいと思います。前作も最高だったけど、今回はその100倍面白かったですよ。前作を鑑賞してから行くと面白さが1000倍になるので、事前に予習することをオススメします。
◼あらすじと解説
「アベンジャーズ」シリーズに代表されるマーベル・シネマティック・ユニバースの一作で、お尋ね者たちが成り行きでチームを結成し、銀河の危機を救う羽目になる姿を描いたアクションアドベンチャー「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のシリーズ第2作。スター・ロードを自称するいい加減なリーダー、ピーター・クイルを筆頭に、美しき暗殺者のガモーラ、毒舌なアライグマのロケット、樹木型ヒューマノイドで25センチまで再生したグルート、マッチョな破壊王ドラックスのガーディアンズの面々が、新たな危機に直面し、再び強大な敵と立ち向かうことになる様を描く。高慢な指導者アイーシャが率いる黄金の惑星で、小遣い稼ぎの仕事をこなしたガーディアンズ。しかし、ひょんなことからアイーシャを怒らせてしまい、追われる身に。危機に陥った彼らの前に、ピーターの父親だという謎の男エゴが現れるが……。クリス・プラット、ゾーイ・サルダナら前作からのキャスト陣に加え、ピーターの父エゴを演じるカート・ラッセルのほか、シルベスター・スタローンも参戦。監督・脚本も前作と同じジェームズ・ガン。(映画.comより引用)
◼前作とは?
原題からも分かる通り、今作は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(以下GoG)の続編です。MCU(マーベルシネマティックユニバース)の中の1作でもありますが、ユニバース関連を考えずとも面白く観れるのがGoGの大きな魅力でした。それは続編である「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」(以下リミックス)も同様です。
前作の特徴としては
・70〜80年代ポップミュージックの流れるSF
・カラフルな宇宙観
・コメディタッチの会話
等が挙げられますが、私が最も打ちのめされたのは「仲間とはなんなのか?」を見事に映像化した決戦シーンですね。敵を倒すためではなく、ただ痛みを分かち合うために手を繋ぎ合う彼らの姿に何度涙を流したことか……。
その後の「Ain't No Mountain High Enough」が流れるシーンも最高で、等身大のヒーローとは何なのかがよく分かります。スーパーパワーがあろうがなかろうが、助けを求める仲間がいるならどこへだって駆けつける。
「助けを求める時、どこへでも駆けつける」というヒーロー観は、昨年の「キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー」の終盤でも示されていましたね。将来のインフィニティ・ウォーにて共闘するであろう彼らとの共通点を見いだせたようで、感動していた覚えがあります。
長くなってしまいましたが、GoGの大きな魅力は
いかしたポップミュージックとSFで彩られた、等身大ヒーローに纏わる寓話
であることです。この寓話性が、リミックスではより強調されていました。それでは、今作の感想へと移ります。
■センスオブワンダーなSF&SF
1つめのSFは「サイエンスフィクション」です。
「暮らし再現映像投射機」「超強力マグネット」「宇宙活動用マスク」等々、GoGでは魅力的なメカニックが数多く登場していましたが、リミックスでは「機械修復スプレー」「携帯型宇宙服&飛行装置」「真空防止レーザー障壁」「船外活動用ワイヤー」「重力変換地雷」「義手」といった、更に更にワクワクするメカニックが登場していました。
これらのメカニック達は詳しく説明されることはなく、あからさまに目立つということもありません。例えば「機械修復スプレー」の登場は一瞬ですし、「携帯型宇宙服&飛行装置」の存在が語られる初シーンでは「あれを付けると乳首が痛い」という会話のネタにされているだけで、どういうモノなのかは一切説明されません。
つまり、メカはあくまでも日常に存在する道具に過ぎないという描き方なんですね。技術を特別なもの=異物として扱わせないからこそ、ワクワクする技術が当たり前にある世界を信じることが出来ます。
メカ好きとして非常に面倒くさいことを言いますと、メカそのものが好き!最高!超目立たせるから!最強だぜ!!!という表現よりも、メカを日用品として扱う状況描写が好き!という場合があるんですよ。リミックスは完全に後者であって「機動警察パトレイバー」好きな人には堪らない映画だと思います。
敢えて1つ、大好きなメカを選ぶならば「機械修復スプレー」。ナノマシンによる機械修復のようには全く見えず、まるで魔法のように壊れたミラノ号の船内を直していく描写はまさにセンスオブワンダー!あんな映像初めて観ましたよ。あれぞSFのメカニック!!!
2つめのSFは「スペースファンタジー」。
リミックスのポスターアートはGoGのものと比べても非常に色鮮やかになっていて、極彩色のてんこ盛り宇宙ポスターにはドギツさを感じる程でした。
そして、そのドギツさそのまんまな宇宙が本編では描かれていたんですねぇ……最高!!あそこはスターウォーズやスタートレック等の宇宙とは全く異なる、エンタメ中毒のビッグバンが創造したコミック・ギャラクシーなんですよ!
まず冒頭に登場するソヴリンからして、惑星の形がどうかしてます。おせちに入ってる赤いお捻りのアレみたいな形です。金ぴかソヴリン人も正にコミックキャラクターといった出で立ちで、意図的にメイクっぽくしていたように思えます。
そして何よりも、エゴの惑星ですよね。表面にしても内部空間にしてもセンスオブワンダーの塊でした。彼のナルシスティックさと孤独さがよく表されていて、物語を形作る上でも素晴らしい存在であったと言えるでしょう。
もうひとつ特筆するならば、スピーディーなワープですね。あれは画期的な発明でしょう。
ドラマやキャラクターだけでなく、宇宙そのものに惹かれてこそのSFですよね!リミックスは最高の娯楽映画にして、最高のビジュアルSF映画です。
■悪趣味センス爆裂な映像
GoGやリミックスの監督であるジェームズ・ガンは、元々トロマ・エンターテイメントという悪趣味お下劣映画を作る会社に所属していました。彼の傑作である「スーパー!」を観ると、その悪趣味演出をたっぷり拝むことが出来ます。
GoGではかなり抑え目でしたが、リミックスではタガが外れたかのように悪趣味演出下ネタ台詞のオンパレードに。う◯こやゲロネタは当たり前で、下半身ネタもてんこ盛り。
特にやり過ぎなのは「指」と「ワープ」と「ポップミュージックを流しての大殺戮」でしょうね。本当に酷い…。まぁ、劇場は大爆笑でしたけどね。
■寓話性
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのシリーズは、広大な銀河を舞台にした活劇です。我々が住む世界とは全く異なるように見えますが、そういった舞台で描かれるドラマの方が、スッと心に入ってくる場合があります。現実に則していない分、表現が極端な分、ちょっとした動作や言動が際立ち、キャラクターの心情が分かりやすくなるのだと思います。
例えばガモーラ。
彼女はエゴの星にあるシャボン玉の美しさに魅せられ、触れようとしますが、すんでのところで手を引いてしまいます。ここから、自分が求めるものにいつも一歩下がってしまう彼女の様子が分かります。演じるゾーイ・サルダナさんもインタビューで仰っていましたが、年上のお姉さんポジションでいようとする気持ちと、過去の罪の意識とが相まって、仲間を大切に思っていても素直になれないのでしょう。
そして、今回のドラマに大きく関わる、ピーターの父親であるエゴ。彼と対比する存在として、ドラックスとヨンドゥがいましたね。
エゴは様々な星の生物と愛し合っていました。恐らく、その愛は本物だったのでしょう。しかし、彼は他者に対するリスペクトの姿勢、謙虚さが欠けており、他生物が抱く「当たり前の幸せ」を思いやることが出来ませんでした。対してドラックスは、価値観も見た目も異なるマンティスに対して「謙虚」に接し、彼女に対して真摯に向き合います。彼女が抱く「当たり前の気持ち」を、ドラックスは決して否定しませんし、軽視することもありません。(確かロケットのことも終始名前で呼んでいたはず➡ロケットは動物呼ばわりされるのが大嫌い)
エゴはピーターの父親でしたが、ヨンドゥは育ての親。エゴがピーターに対して抱いていた愛情は自分本意なものであり、ピーターが裏切った際にはあっさりと情を捨て、卑劣な手段を用いて服従を強います。対してヨンドゥは、ピーターが何度自分を裏切ろうとも決して見捨てず、不器用な愛情を持って向き合い続けました。ヨンドゥがピーターに向ける愛情には、エゴイスティックさなどは欠片も無かったでしょう。
………書きたいことを書いていたらとっちらかってきましたが、とにかくここで言いたいのは、ぶっ飛んだフィクション物語の中でこそ、ノンフィクションな我々の世界の真実を垣間見ることが出来るということなんです。
・相手の「当たり前の幸せ」を尊重すること
・どんな理由があっても心を踏みにじってはいけないこと
・どんなに言い争いをしても家族の絆は絶ちきれないこと
・ほんの小さな仕草にも心が表れていること
・音楽は最高!
こういった、面と向かって言うと全く心に入らない「良いこと」を心の底から信じさせてくれる…自分の行動を変えようという気持ちにさせてくれるからこそ物語は素晴らしいし、真っ向から描けるヒーロー物語に魅せられ続けるのだと思います。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス」は、誰に勧めても、誰に対して話しても恥ずかしくない、本当に素晴らしい映画でした…。
(リミックスを観た日の夜は家族に電話しました。)
◼残念感想
今回残念に感じたポイントは次の3つです。
①またもや欠席するグルート
GoGに続いて、チーム結成のキメ画にグルートがいない……。vol.3への引っ張りなのかもしれないけど、ちょっとガッカリ。
②ぶったぎり感の強い中盤
中盤、エゴの星とラヴェジャーズ船とで展開が別れます。それぞれが無類に面白くはあるのですが、盛り上がって一方へ、盛り上がって一方へという感じなのでテンションや話の流れが唐突に切れる感覚になってしまいました。
③ポップ過ぎる大殺戮シーン
ぶち上がるシーンだし楽しいけど、どうしても不謹慎な感じになってしまう。相手も大悪党だけど、大笑いしながらの虐殺をポップに見せるのは……そこまで気にするシリーズでもないけれど……うーむ。
◼終わりに
最後に細かいところでいうと…
・エゴの繁殖細胞が「ブロブ」そっくり
・ガモーラ滅茶苦茶力持ち
・皆かわいいものが大好き
・宇宙観が全体的にラチェット&クランク4っぽい
・ガモーラとネビュラの「あぁ〜疲れた…しんど…」って感じに歩くシーン最高
・3Dの方が情報整理されてて見易い!
・吹き替えは相変わらず最高
・産みの母と育ての父から音楽にのせて受け継がれるスピリット、という熱さ
・加藤浩次のクレジットの(極楽とんぼ)に泣く…
とにかく!今年最大級の王道エンタメ作品であることは疑う余地無しなので、何度でも劇場に行って観てみたい!サントラもヘビロテだ!!!!