光光太郎の趣味部屋

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映画:銀河鉄道999

劇場版銀河鉄道999、久々に観た。
男の子の青春物語ではあるものの、大人になった今では濃厚なノスタルジーSFに感じてしまう。今自分は999を降りていく鉄郎ではなく、それを見送り鉄道に乗り続けるしかないメーテルや昔を振り替えるばかりの機械人間側になってしまったのだ…。


銀河鉄道999こそノスタルジーそのものだ。なんといっても蒸気機関車の見た目だし「輝いていた頃の昔」をイメージしてしまう。しかし、昔の記憶に浸り機械になることを夢見る999の乗客と違い、若い鉄郎はノスタルジーに浸りようがない。鉄郎は999にとって異質なのだ。


蒸気機関車は過去の遺物、昔憧れたロマンの塊であり、今必要なものではない。旅を終えた鉄郎にとって思い出は胸に秘めればいいものであり、そばにいる必要はないものだ。長い間持ち続ければ錆び付くだけだし……美しい過去を乗せて999は男から走り去っていく……。俺は999を降りることが出来るのか?


そう言えば子供の機械人間ていたか?皆大人だったような気が。子供は未来を生きる側だからあえて出さなかったんだろうか。金を出して機械になり永遠の時を生きていても、行き着く先は昔の自分や生身への憧れになってしまう…。まぁ俺はエゴを捨て去り心の痛みがなくなるなら機械になってもいいな、、

銀河鉄道999

銀河鉄道999

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ゴダイゴの歌は出発(Taking offも名曲)とエンディングに流れるけど、これはもうずるい。ロマンSFじゃなく青春の物語なんですよと歌で語ってるしその爽やかさに泣きそうになる。青春であり、同時にノスタルジーであり。今聞くと、もう取り戻せない若さを痛感して更にキツイ。


以前は気付かなかったが、あの市川崑が監修に入っていた!引きからの連続アップやバッサリ切る編集(エスメラルダがハーロックと話すとこ)、ムードたっぷりな音楽は崑イズムを感じる。でも本格的に編集してんならハーロックはあの台詞だけ言って、加勢する場面はオールカットかもね。無くてもいけるし。


終盤にすげぇ見覚えのある影の付け方やパース、表情アレンジ、戦闘機、爆発が何回も出るなと思ったら、アニメーターの中に金田伊功が!!納得!!!79年の作品だけど情報量つめつめのシーンが特に終盤多く、80年代アニメの演出を先取りしていたね。そこだけはちょっと浮いてたかな(笑)。全然ちげぇんだもん(笑)。