光光太郎の趣味部屋

Twitter感覚で趣味や心情、言いたいことをつらつらと。

映画:PSYCHO-PASS サイコパス  Sinners of the System Case.2「First Guardian」 ~スピンオフだよ全員集合~

来場者特典 設定集 ? 劇場版 サイコパス PSYCHO-PASS SS Sinners of the System Case.2 First Guardian 須郷徹平 征陸智己

 

こんにちは。

光光太郎です。

 

今回は大人気TVアニメシリーズの続編劇場版短編の2作目

 

PSYCHO-PASS Sinners of the System Case.2「First Guardian」

 

の感想を書いていきたいと思います。前作「罪と罰」はツイキャスだったけども今回は書き言葉でっせ。

 

bright-tarou.hatenablog.com

 

 

雑感

 

話は割とどうでもいいけど、スピンオフの醍醐味を詰め込んだ台詞の数々には唸らざるを得ない。

 

ツイートにある通り、case1はサイコパスシリーズのキモを凝縮させた内容だった。シビュラシステムの功罪、監視官と執行官のバディ感、絶対者『だと思い込んでいる』相手に対して知恵と度胸で打ち勝つ舌戦、ロジカルな支配と個人の心…新規客層の取り込みは勿論のこと、ファンに対しても「サイコパスの面白さ」を思い出させる作りだ。

TVシリーズや劇場版との連なりもそんなにないので、case1から観ても娯楽性では全く問題ない。 何よりも、シリーズ中随一のスカッとした終わりを見せてくれる。今思い返しても見事な1作である。

 

対して2作目の(ツイートと同じこと言ってんな…)「First Guardian」は、初っ端から過去シリーズとの連続性を炸裂させてくる。そもそもcase1の続編ではないという時系列にしてる時点で、新規ファン向けではない。が、古参ファンにとっては涎ダラダラなスピンオフ展開がてんこ盛りになっているし、実際ファンの間では無茶苦茶に評価が高い。なんせ2/17時点のフィルマークスでの平均評価(レビュー総数349)は5点満点中4.1点だ。レビュー総数ではケタ違いの差があるとはいえ、あの「カメラを止めるな!」と同じ点数である。

 

とにもかくにもファンを唸らせる関係性や台詞のオンパレードだ。しかし、お話自体はスピンオフのオマケみたいなもんで、冒頭から結末が予測できるもの。case1から、更に言うと劇場版から引き続き厚生省と他省庁とのきな臭い争いの面白さはある。

 

つまり今回のcase2は、とことんファン向けの作品なのだ。

そしてその狙いは大成功だろう。

 

THEスピンオフ

今作は現代パートと過去パートに分かれている。

最初に時系列を整理すると…

 

case2過去→TV1期→TV2期→劇場版→case2現代→case1

 

になる。前情報入れずに観たので、これを理解するまでに結構な時間がかかった。1期直前の過去パートがメインになるので、やはり1期ファンに向けた内容だと言える。現代パートはメンタル知恵戦最強の女、常守朱の凄みをピンポイントで描写したり、劇場版から霜月との関係性が改善(そばかすを隠すメイクも改善)していることを示したり、case3への繋ぎをする位なもん。あとは須郷さんがおっぱい大きい人のスカウトを蹴る位かな。

 

そして主要登場人物は次の通り。基本的に彼らが1期以降の展開を思わせる何かを喋ったり関係性を深堀するのがメインコンテンツで、メインのミステリー話は本当にオマケだ!!

 

・須郷徹平

2期以降登場する執行官で、後に一係に配属される。過去パートでは国防軍沖縄県名護基地に所属している。極秘の「フットスタンプ作戦」へ参加したことをきっかけに、大友事件に巻き込まれていく。趣味は筋トレ。割と若くてギノさんの6歳下。

ゴリゴリの軍人なので対人格闘術はずば抜けており、一係男性陣3人が束になってやっと勝てた相手を1人で打ち負かしている。

 

・征陸智己

一係の執行官で、監視官=上司である宜野座伸元の父親。シビュラシステム導入以前から大活躍していた凄腕刑事だが色相の悪化を受けて潜在犯となり、それが原因で家族(ギノさん)とは険悪。1期終盤で殉職するが、そのデカ魂と捜査術は一係へ、ギノへ受け継がれている。この「受け継がれる魂」こそが、今作のキモである。

case2では二係の青柳璃彩と共に大友事件調査のため沖縄へ派遣される。

そして、スピンオフ展開のほぼすべてを背負っているのが彼でもある。別れた妻への訪問、ヒステリーギノとの問答、先述したデカ魂の継承…奇しくも、彼に声をあて、2月に亡くなった有本欽隆さんを追悼するような物語になっていたこともあり、涙を搾り取られたファンも数多いだろう。

 

・青柳璃彩

二係の監視官でギノや狡噛とは友人。年も同じ。クールビューティー。1期でも2期でも好きだったのに…好きだったのに!!!!!

大友事件調査のため、一係の征陸智己と共に沖縄へ向かう。征陸さんが別れた奥さんに会えるように(無理くり)気を利かすナイスレディで、超カッコいいハイキックを決めてくれる。これを観るためだけでもいいから行って欲しい。

最初はペタンコだが、水落して以降いきなり大きくなる。なおアニメ本編では最初から大きい。

 

・一係の男性陣

若かりし狡噛、ヒステリーギノ、いつも通りの縢…彼らが登場し新しい台詞の数々を喋るだけで鑑賞料金分の価値がある。

 

 

受け継がれる正義

基本スピンオフの旨みのみで進む今作だが、最後の最後で熱いものがある。

 

大友事件の悲劇を目撃した須郷に対して、征陸は刑事を続けている矜持を説く。

現代の刑事は、最早システムが派遣する処刑執行人に過ぎず、そこに個人の意思は介在しえないように見える。それでも、その過程で正義や信念を見出し守ることも出来る。だからこそ、俺は今でも、誇りを持って刑事を続けているんだと。

 

その後須郷は潜在犯になり、征陸と同じ執行官となる。彼もまた「システムが派遣する処刑執行人」として最悪な状況にぶつかってしまうが、受け継いだ正義を糧にして立ち上がっていく。

 

改善しえないクソッタレな状況でも、人間の尊厳をこそ主張し守り通すことは出来るんだ…サイコパスシリーズに通底する激熱なテーマは、今作では健在だ。征陸が語った正義は須郷だけでなく、狡噛や常守、宜野座、そして面識がないはずの霜月まで受け継がれ、シビュラシステムへのカウンターとなっている。

 

ボンクラ要素

前回の記事でも触れたが、基本スタイリッシュで理知的なサイコパスシリーズは何故か劇場版になると中学生が大興奮するようなボンクラ要素をぶち込んでくる。今回は「ドローン戦闘機」と「格闘バトルアクション」だ!!!!

 

須郷さんは元々ドローンパイロットなので、前半はその腕を存分に見せてくれる。FPS視点が中心なのであんまりドローンは映らないんだが、あの、現行ドローンからは絶対そうは発展しねぇだろとなる、滅茶苦茶に線が多いドローン戦闘機を嫌いになれるわけはないのだ。

 

んで格闘バトルアクション。劇場版はいつもラストの見せ場は格闘バトルアクションになるが、毎回毎回新鮮なアクションを見せてくれるのだ。

今回はメインの格闘者3人のバトルスタイルが異なる。須郷は軍仕込みの実践的な格闘で、立ち技からのサブミッションで確実に仕留めるアクション。STF!!!

征陸はストロングスタイルで、思い一撃や荒々しい投げ技を使う。似てるのは「ラストスタンド」のシュワちゃんの格闘かな。case1のギノさんは義手を有効活用するけど、征陸さんは全然使わなかったな。

青柳さんは2人と比べて尺は短いものの、ハイキック1発でばっちり印象に残る。

 

ラストスタンド (吹替版)

 

case3は戦車や狡噛のナイフバトルがあるみたいなので、またもやボンクラ要素が強まるようだ。メイン観客は女性だと思うんだけどな…(笑)。でも俺は好きだぜ。

 

 

さて、そろそろ〆だ。

とにもかくにもスピンオフに振り切った今作。case1でサイコパスを知って魅了された新規さんも、是非1期と劇場版だけでも観て、case2を観てみて欲しい。んで、最後は狡噛のcase3だ!!!

 

しかしcase1では実際に青森で再稼働が決まった原発を絡め、今回は沖縄の米軍基地キャンプシュワブ…3ではどんな時事ネタをぶち込んでくるんでしょうね。

 

www.youtube.com