光光太郎の趣味部屋

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映画:群がり

虫は大嫌いなんだが、虫パニックムービーは大好物。デカイ虫も、群体もいい。スタッグ、スォーム、スパイダーパニック、、ピージャク版キングコングも谷底に落ちたシーンが一番好きだ。特に「イナゴ」が出てるとなると俄然観たくなるので、観た。


血が好物なイナゴというアイデアで魅せるパニックホラーというよりも、社会的にも精神的にも追い詰められたと思い込んでいるシングルマザーの暴走の方が怖いヒューマンホラーだった。しかしモンスターものとしてしっかり魅せる場面もあるのでそこは満足。

シングルマザーの主人公は看護職についていたものの今はイナゴ飼育1本で生活していて、過度な自然信仰というかスピリチュアル系統にハマる一歩手前の危うさがある。誰の手も借りず差し出される手も振り払って…そんな生活を辞めようと思った矢先「血を与えるとイナゴが増える」ことに気づいてしまう。この設定を活かしたゴア描写は数こそ少ないもののエグ味は抜群。特に顔以外を食わせる場面は主人公もイナゴも狂ってると1発で示す名シーンであり、彼女にとってイナゴは共同体であるとも分かる。

自分一人で成功を掴むチャンスが見えてしまったらもう止まらない。どんな血だろうがかき集める彼女は狂人にしか見えないが、そこまで追い詰めたのは社会なのか彼女自身なのか…イナゴはどちらのメタファーともとれるだろう。