光光太郎の趣味部屋

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映画:シャザム! 〜ユーモアは世界を救う!〜

こんにちは。光光太郎です。

 

トッキュウジャー、若おかみをはじめ、子供が頑張る話には涙を納めまくってきましたが、今回感想を書く映画にも年貢を献上してきましたよ。DCヒーローの

 

シャザム!

 

さぁいくぜ!※今作はネタバレ絶対厳禁なので、未観の方は退出するが吉!マジで!!

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シャザム! :魔法の守護者(THE NEW 52! ) (DC)

 

 

◼観賞後ツイート!

 

 

◼暗さを笑いで吹っ飛ばす!

シャザム!はおバカヒーローコメディ映画みたいなノリで宣伝されており、実際それは間違っちゃいない。だが、笑いの裏に重く暗い現実を隠しているのが向こう流。

 

主人公ビリー14歳(超絶イケメン)は、幼い頃に母親とはぐれてしまって以降里親先を転々としていた。そんな彼の新しい里親は、捨子を多く抱えるグループホームでホスト夫妻も元捨子。血が繋がっていない、人種も異なる彼らは家族のような温かい関係性を築いていたが、ビリーは一切なじもうとせず母親を求めるばかりだった…。つまり主人公側は、自らの意思とは無関係に「血の繋がった家族」を失った人々だ。

 

しかしこんな状況を重々しく描こうとしないのが今作の特徴だ。グループホームの子達はみんな明るく元気だし、落ち込みがちなビリーも基本にはユーモアがある。シャザム!はコメディを前提に、「家族」を求める主人公が本当の「家族」を見つけ成長していく物語なのだ。ここら辺「デッドプール」の成功が参考になってる気がするぜ。

デッドプール (吹替版)

 

■ヒーロー!とヴィランの対比構造

対して、敵役のシド(おっさん)は自分の意見で「血の繋がった家族」を切り捨てていくし、ユーモアで乗り越えるということはない。また、選ばれて力を得たビリーとは異なり、自ら力を得ていく。彼には7体の魔人が力を貸しており、シャザム!と同等のパワーを扱うことが出来る。

 

アメコミの敵役、ヴィランはヒーローの写し鏡であるという場合が滅茶苦茶多い。マーベルの少年ヒーロー、スパイダーマンヴィラン達はどいつもこいつも「有り得たかもしれないスパイダーマン」なのだ。この対比構造がシャザム!では隅々まで徹底されている。

 

対比構造により浮かびあるのは「どう生きるか?」ということだと思う。バリーもシドも、状況こそ違えど「血の繋がった家族」から切り離されたという結果は同じだ。そこから彼らはどう行動したか?何を求めたか?誰と出会い、何を大切にしようと思ったか?対比することにより、ヒーローがヒーローたる所以が際立つ。

 

バットマン リターンズ (字幕版)

DCでヒーローとヴィランの対比といえばこれか「ダークナイト」だろうか。

 

 

■シャザム!のヒーロー性

劇中、シャザム!には様々なヒーローネームや名台詞が付けられていくが、どれもパッとしない。敢えて言えば見た目も能力もかなりオーソドックスで、ぶっちゃけヒーローとしては印象が薄いのでは??と思ってしまう。

しかしこれこそが、今作のキモだった。シャザム!のヒロイズムとはなんなのか?それがビリーの成長に繋がる。

 

彼が見つけたヒーローとしての座右の銘、それは「家族を守れなければヒーローじゃない」だった。ここでいう家族とは血の繋がりではなく、お互いに思い合い支え合う関係性。自分たちで家族になろうと努力する者達のことだ。家族を脅かす悪い奴をぶっ倒せなけりゃ、それはヒーローじゃねぇんだよ!と。

 

更にここで、対比構造が活きてくる。シドは7体の魔人を宿しているが、それは協力関係とは呼べない危ういものだ。対してシャザム!は、なんと、機転を利かしてグループホームの親友=家族の5人をシャザム!化!!ムキムキナイスガイ、綺麗なレディとなった彼らと団結!!さぁ魔人どもよ、覚悟しろ!!!!私はここで笑いながら泣きました。

 

排他的で自己中な独裁者に、多人種チームで支え合って立ち向かう子供たち。分かち合えない力に意味なんか無い!そう啖呵を切る姿は、正に新時代の、独自性抜群のヒーローだ。

 

また忘れちゃいけないのは、今作では「人助け」を繰り返し描いていることだ。ビリーがシャザム!の力を得る前にフレディを助ける場面もそうだし、最終決戦時も人助けが最優先。独自のヒーロー性云々の前に、人が成すべき最低限の、そして最高のことをやってのけるのが彼らなんだ。

 

あとねぇ…スーパーマンバットマンの人形で遊ぶ子供!あいつがシャザム!とシドの戦いを見て浮かべる表情!!!ヒーロー映画が一番抑えるべき「ヒーローのカッコよさに驚嘆する人」をやってるんすよ!!!!わかってるな!!!夢を描くなら夢を目撃した人も入れないとね。

 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(吹替版)

ラスト、分かち合いがカギになるヒーロー映画と言えばこれ!

 

■全編ぶっ通し!必中必殺ギャグ!

難しいことを書いてきたけども、今作はとにかく笑えるシーンが目白押し。ギャグを説明しても説明する方がつまらなくなるのが世の常だが、少しだけ話させて頂きたい!

 

・コンビニ強盗シーン!笑えるのは勿論だが、スーパーマンパロでありフレディが「夢」を目撃する瞬間でもある!

・Don't Stop Me Nowに乗せての能力試しシーン!テンション上がるし笑えるし楽しい!!しかもビリーとフレディが仲良くなる過程でもあるのでドラマも止まらない!

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フィラデルフィア舞台だからっつってEye of the Tigerを、よりにもよって美術館前でネタにする!

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・最終決戦時、離れすぎてて悪役が語る言葉が分からないのをネタにする!ビリーが完全にシドを乗り越えたことを示すシーンでもある。

・さぁ!杖を掴んで僕の名前を言って!「「「「「ビリー!」」」」」違う!決め所での外しではあるが、グループホームの皆がシャザム!ではなくビリーを大切に思っているのが分かる。

・シャザム!になってる時だけ饒舌になって冗談言いまくるビリー。調子乗ってる感があって大変よろしい。

 

この様に、物語を破綻させるギャグは殆どない。ギャグを通して物語を語り、ギャグに意味を込め、ギャグで成長を示している。恐ろしいほどに無駄がない。コメディドラマ映画としても上質だ。

 

あ!!!何と言ってもラストのアレ!!!シャザムがフレディの友人として学友の前に出るだけでも最高だったのに、まさかスーパーマンが出てくるとは…。フレディのビックリ声と表情最高よね。あとEDアニメな!!!

 

 

■〆

さて、そろそろ〆だ。

重く暗い背景をユーモアで笑い飛ばし、新しい形の「家族」と支え合うヒーロー、シャザム!。彼は自分を笑わせ、皆を笑わせ、この映画も多くの人々を笑わせる。そこからまた、新たな笑顔が生まれていくだろう。誰かを笑顔にするという行為は連鎖していく。笑いがあれば、ユーモアがあれば、笑い合える人がいれば、嫌なこととも向き合える。こういうヒーロー映画が生まれてくれて良かった。

 

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