映画:未知との遭遇 ファイナルカット版 ~UFO最高!~
こんにちは。光光太郎です。
午前十時の映画祭が今年で終わりということで、劇場まで結構移動時間がかかるんですが通ってみようと。
という訳で、今回はオープニング作品
の感想です。UFO最高!
◼観賞後ツイート
「未知との遭遇 ファイナルカット版」観た。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年4月10日
UFO、最高。
子供、かわいい。
ヒステリー、鬼畜。
お話、う〜〜〜〜〜ん。
倫理観、最悪。
宇宙人、ナイスガイ。
◼子供大人を甘やかす
初めに言っておきますが、ストーリーはあまり好きではないです。子供大人が夢に溢れる宇宙へ手を引かれて旅立っていく…好きな要素しかないはずなのに、途中挟まれる結構長い尺の家庭崩壊劇が結局「頭おかしい行動をとる夫を見限り決別」でしかないのは…。
夫リチャード・ドレイファスが物語的には正しい=宇宙人的には正しいんでしょうが、今の倫理観では中々キツい。あれだけ子供を泣き叫ばして、奥さんを泣かせて、隣人に迷惑(犯罪)かけまくって、なんもケツ持たずに終わりかいと!!
ファイナルカット版は家庭崩壊をかなり長く描くバージョンらしいので他のを観れば印象が異なるんでしょうが…うーむ。
◼子供は可愛い
スピルバーグ作品と言えば、子供というイメージが強い。今作でもとにかく子供がいい。可愛く、狂気で、夢を託せる存在なのだ。
まず冒頭のバリー少年。彼が何かを目撃した表情をまじまじと撮るシーンでもう、好き。こういう「驚嘆」を捉えた瞬間があるとそれだけで好きになる。だが、お母さんの目からすれば危なっかしいことしかしない!車に引かれかけるシーンとかはかなりキツイし、誘拐もキツイ…。でも、それは大人からの視点であり、子供にとっては好奇心を糧にして世界に触れている瞬間であるのだ。
また、主人公ロイの息子達もいい。登場してからまず「分数が分からない」と宣うガキ(そのあと父親から鉄道模型で分数を教えられる件は最高)。後ろでひたすら赤ちゃん人形をぶち壊し続けるガキ。キャラクターが強烈だ。そして狂っていく父親を思い涙を流すガキ…ロイはそんな彼らを見捨てていくんですよ!?許せるわけはないんですよ!!
◼UFO最高!
イマイチなところを多く綴ってきたが、UFOまわりは欠点付けようがないほど素晴らしかった。
最初は小さい小さい光でしか登場しないが、横長大スクリーンだからこそ、その小さな瞬きが映える。人間よりちょっと大きい位のサイズでしかないことにも驚くが、非常にディティールが細かいメカニカルな造形にも吹っ飛ばされた。つんつるてんじゃない!!強烈な光を放っていることにより、造形がハッキリと見えないのも良い。
更に「動き」だ。小型UFO達は3機ほど登場するのだが、光粒の時も、造形が見える時でも、全て挙動が異なる。つまりUFO達にキャラクターを見ることが出来るのだ。無機質なメカ、ただの光でしかないはずなのに、そこに意思を見いだせる…スピルバーグがUFOや宇宙人に抱く夢が、UFOの動き一つ一つに見えてくる。
そして、満を持して登場するマザーシップのデカさときたら!小型UFO達に見慣れた後の終盤に横長スクリーンをいっぱいに使って登場するので、物語的にも視覚的にも映画的としか思えない存在になっているのだ。Blu-rayパッケージとかで思い切り造形が出てしまっているが、ネタバレなんかどこ吹く風な映画力。最高としか言えない。(絶妙にキモい宇宙人デザインも最高)
因みに、UFOのデザイン、挙動、キャラクター性に関しては「世紀の謎 空飛ぶ円盤地球を襲撃す」というパイオニアがいるので、そちらも是非参照してみて欲しい。ストップモーション、特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンが超低予算で工夫して手掛けたUFO達は一見の価値ありだ。
円盤で言えば、スピルバーグじゃない方の「宇宙戦争」もいいかも。
日本でUFOと言えばこれだろう。
◼〆
さてそろそろ結びといこう。
ストーリーは今観ると乗れないが、とにかくUFOに詰め込まれた夢が色褪せることはない。
また、スピルバーグらしい映画テクニックも満載。カメラを移動させることで段々と規模感を増したり、驚くべきものを見せたり、奥と手前、サイズの違いを活かしたレイアウトにしたり。ハンドサイン1つで宇宙人の「粋」を示すのもいいし、キャラクターに映画話をさせることで性格やユーモアを表すのもいい(一般家庭の奥さんが「十戒」の上映時間とか知ってるのか?)。
ファイナルカット版じゃなく、特別版や通常版も観てみよう…かな(笑)?