光光太郎の趣味部屋

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映画:機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

ロボットがメカニックなのかキャラクターなのかは作品によりけりだが、今作はハードコアに前者だったと思う。メカニック・フェティシズムにもうただただ頭を垂れるしかなかった。最高です。各部が連動して動いてるのが分かるのもいいが、何よりもコクピットがいい。


逆シャアから引き続きコクピットは全天モニターなんだけど、非常にメカニカルになっている。でもここで感じるリアルさは、エースコンバット等をはじめとしたコクピット主観視点ゲームをリアルだと感じてしまっているからか。視点移動とディスプレイに映る目標の移動等が若干ずれているのもいい。


ポッドへ迫るメッサーが距離や角度修正の為に各所のバーニア吹かすのもそこでレンジがどうこう映るのも、降下するメッサーの姿勢も、モビルスーツが着地する際の足のサスペンション的な動きも、ビームサーベルの待機発光も、コクピットハッチが何重にも開く様子も、全部好き。


この世界ではモビルスーツは船舶や車をはじめとした機械と同一なのだと分かるんだが、だからこそペーネロペーの化物加減が際立つ。見た目もそうだが何よりもあの飛行音だよ。大気圏内で単独飛行出来るモビルスーツは劇中世界の20年前からいるが、音が全然違う。


カニックでいうとハサウェイが危機をしのぐために買いケネスからギギへ渡ったあの時計…。宇宙世紀も100年時代だというのに電池?で動くアナログ時計お土産品にどんな価値があるんだろうか。アナログ時計自体は軍の基地にもあったけど。アベコベで時代遅れってことなのかな、、


メカもいいんだけどファッションも素晴らしい。というかハリウッド大作並にファッションの描き方に力を入れているように感じる。ガタイのいい人のスーツの着こなしからシャツのシワ、ハサウェイのケツ、足のスマートさを際立たせるスラックス、ギギの衣装…全てがカッコ良くて色気がある。


驚愕するのはそれをほぼ全シーンでやっていることだ。見せ場だけ描き込むとかじゃなく、全編、なんてことないシーンでもファッション作画は崩れない。ハサウェイのケツなんて繋ぎのシーンもいいとこだが、リラックスした美しいポーズを際立たせるシャツやスラックスのラインときたら、、堪らんですよ。


巨大ロボットアニメとしてスケール感を出すシーンも素晴らしい。ハサウェイ達が林からモビルスーツを見上げるカットから、市街地のメッサーが林のグスタフへ駆け出していくのに繋がるシーンでは20メートル越えのロボットがどれだけデカイかよく分かる。四肢が太く鈍重な見た目だからより迫力が増す。


巨大ロボットが戦う足元は地獄ってのはF91の前例があるけど、今回は更に新しいアイデア、特にロボバトルで「かっこいい演出」と思っちゃうやつの現実を描いてた。ビームの火花が飛び散ったら?燃える破片が落ちてきたら?直接的な死の描写はないが、それは機体がでかすぎて死人が見えないだけだろう。


カニックの話ばかりしたけど、人物描写もいい。特にケネス。良い大人と思いきや冷めたこと言うし、優秀な司令官と思えば人命軽視の指示を躊躇なく出す。スマートに女を口説くと思わせて第三者がいる前で「君を抱ければ」なんて言う。外面をいくら装っても内実は冷酷だ。ハサウェイと対になってるか?


ハサウェイはテロを計画している側なのに(囮の攻撃でバンバン死んでる)甘さを捨てきれていない。ギギはそんな二面性を持つ二人を翻弄する謎の女。まだこの段階では登場人物レベルでのエゴのぶつけ合いはないものの、今後がとても楽しみだ。やっぱりエゴだよ!ガンダムはさぁ!