光光太郎の趣味部屋

Twitter感覚で趣味や心情、言いたいことをつらつらと。

映画:街の上で

今年一番、いや近年の中で最も笑ってしまった映画だった。やり取りの間、ありそうな勘違い、絶妙なタイミングで絶対言っちゃいけないことを言わせる………気まずすぎる空間を何度も何度も味わうことになるけど、修羅場まではいかずどこか笑えてしまう。

浮気した上に振るってなに!?とか、俺は別れたくない!とか、こうなったらおしまいだなって台詞も多くて爆笑。そんなとき、女はいつでも上なのさ。


なんて変な映画なんだ……→少し前の台詞や出来事を反芻してる、、映画やん!→もうこれ以上ないほど映画!!!!
と時間が経つごとにのめり込んでいったなぁ。正しい意味で伏線を回収していく。


映画を観終えた後の監督と田辺さんと城定さん、青との関係性が異なる3人のやり取りがいい。完全に他人の監督、少なからず思う田辺さんだけではギクシャクするが、気楽な友だち(ということになっている)城定さんのシンプルな一言で3人全員まとまる。人付き合いのめんどくささと面白さを爽やかに描いた今作の象徴みたいなシーンだなと思った。


固定カメラのウルトラなが回しが序盤からいっぱいあるし話の要領掴めずのれるか不安だったけど、ほんと「映画」だったな…。留守電の使い方、白鳥座で通りすぎるアイツ、元カレ元カノのねじれ、めんどくさいやつの恋バナ。前に出たものが全く異なる意味を持って再登場する正統派な伏線だ。伏線というより韻踏みすぎのギャグもあるけど(笑)


そして何よりあのケーキ。苦いけど捨てられない思い出が最後にどう使われるか。最高でしょ。ユキが決意したら鳴り出す音楽も映画だし、見送る金髪も映画だ。5人が偶然出会うあそこも最高に映画(腹抱えて笑った)。


街の上で、地方民としては下北沢での青君の暮らしがマジで憧れそのものやった。仕事帰りにふらりとライブ聴いて、行きつけの極狭バーへ行き、お昼はおしゃれと殺風景を兼ね備えたカフェ?でナポリタンを食う。仕事も本読んでちょい接客する古着屋。いいわぁ。


街の上で、自分の人生捨てたもんじゃない、まだまだたのしいことはあるぜって思わせてくれる映画だったよ。映画にしかないドラマチックなことをこれからしてみたい!じゃなくて、今までの生活の中でこんなところが楽しかったな、あれも楽しかったのかも、と思わせてくれる映画なんですよ。


街の上で、もう一回観たい。あの気まずい空気感にさらされるのは映画館だけだ。でも何度か目を瞑っちゃったわ(笑)。