光光太郎の趣味部屋

Twitter感覚で趣味や心情、言いたいことをつらつらと。

漫画:ルックバック

https://shonenjumpplus.com/episode/3269754496401369355

ルックバック、ひたすらに漫画がうめぇなと驚嘆しながら読んでた。小さ目の同じコマ割同じ構図を繰り返して変化を見せて、すぐ後に大きな飛躍を見せてカタルシスを得る…ってのが要所要所にあるから140ページでもするする読める、読みたいと思ってしまう。

同じ構図をほんと何回も何回も繰り返すからこそ、そこを破る瞬間は「スローモーション」でじっくりとみせる。心も体も動へ切り替わるあの瞬間、影の付け方も荒々しくなるから、漫画で出来る表現全部使ってキャラクターの感情を叩きつけてくる。何度も何度も読み返したよあそこは。

見る見られるの逆転は映画でもあるんだけどもうどうしようもない位漫画で、だからすんなり理解出来る飛躍もあって……今の時代どんなメディアでも一定の表現は出来るようになった感じがあるけど、そのメディアだからこそと思われた表現を漫画へ取り入れて漫画だからこその快感へ変換しちゃう。やべぇ。

ウェルメイドだなと思った理由は楽しめる要素が結構多くて範囲も広めだから。2人の少女のドラマだし、百合を楽しむもよし、クリエイター話でもいい、公式が言う青春でも小学生から大人まで幅があるし、あの事件に絡めて話すのもいい、シンプルに上手すぎる絵を楽しむもよし。

小物の使い方も上手い。スケッチブック、4コマ紙、机も本も何もかも紙面にのるもの全部使って物語、というか感情を紡いでいく。映画なんだよな、、

繰り返す日常、繰り返しの動作を描いて長い時間経過とその中の変化も描くし、一瞬を切り抜いて引き伸ばして引き伸ばして動的な心情変化をぶつけるのもいい。その落差にやられる。見いってしまう。

言葉重ねてるけどね、もうシンプルに女の子がかわいいし綺麗だし言動もいいし読み返しも楽しいですよ。あア!!


藤本先生!の描く登場人物は全員感情で動くから読んでて納得しやすいのもいい。チェンソーマンもなんでも、思慮深いとかガキとか関係なくみんな感情を糧にして動きまくるので話も動く。概念で話を回してないし物語にキャラクターとして奉仕することもない。


ここがいい、あそこがいいといくらでも書き連ねられる。表情がいい、ポーズがいい、現実的なキャラデザがいい、台詞がいい、2人の関係に絞ってて余計な第三者がいなくてストレスなくていい、奥手前と横移動がクロスする瞬間が気持ちいい、でもやっぱり何よりも気付いて立ち上がるドラマが好き。好き。