光光太郎の趣味部屋

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大映特撮の夏!映画:妖怪大戦争(1968)

妖怪大戦争※1968 4K修復版(2枚組) [Blu-ray]

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  • 青山良彦, 川崎あかね, 大川修, 内田朝雄, 神田隆
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妖怪大戦争……なんて心踊るタイトルだろうか。妖怪が大集合して戦争する!と心弾ませて2005年版を観に行った小学生光太郎は三池作品の洗礼と被虐シーンの悪辣さに打ちのめされたのであった……。その後68年版も観てみたがヌルいなという思い出しか無かったものの、先日見返してみたら、更に言えば「妖怪百物語」と続けて観たことで、なるほど妖怪の楽しい面を描いていたのだなと納得し楽しめた。


古代バビロニア、西洋妖怪のダイモンが俺達の縄張りで悪さしてる!許せねぇ!喧嘩だ!というのがあらすじ。妖怪が絡むにしては珍しく?悪玉と善玉がハッキリと別れた勧善懲悪ものだ。パワーと幻術を用いる妖怪のダイモンを演じるのは大魔神スーツアクター橋本力であり、ド迫力の眼力をみせてくれる。


日本妖怪達の立ち位置が絶妙。人間と共に暮らしているわけでも積極的に怖がらせるわけでもなく、人の世を妖怪の視点で観察しているようだ。大舘の殿様の政治手腕を素直に褒めていたり、子供達とも自然に接している。では人間に友好的なのかと思えば、ダイモンとの喧嘩が終わればただ去っていくだけ…。ダイモンは敵、人間は翻弄されるだけ、となると主役は妖怪達なのかと思うが何も言わずに消えていくから更に物寂しい。シェーンではないしな…。


妖怪大戦争とうたっているものの、実は戦闘力が高い妖怪ってのは少ない。当たり前だ。のっぺらぼうが妖怪同士の戦いでどう役にたつのか…。しかし新旧共に妖怪大戦争ではすべての妖怪達が元気よく戦う。雲外鏡のように能力を駆使してサポートする者もいるが、能力関係なくただワイワイ戦いへ参加してる奴等が大半じゃないか?だがシリアスさよりも遊戯性、実益よりもお祭りと楽しさをとるこの雰囲気が妖怪達にはとても合っていると思う。