光光太郎の趣味部屋

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映画:整形水

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イオンシネマ天童にて。予告のエグさにひかれたのと、ロシャオヘイセンキで始まったアジアアニメを盛り上げる流れに乗っかろうと思って観た。


見た目を自在に変えられる水という飛び道具はあるものの、外見重視社会を終始真面目に描いているサイコスリラーだった。ラストの展開もぶっとんでるようで現実のカリカチュアを遠慮せずやってるとも見える。沢城みゆきを堪能しまくるのにもピッタリ。

結局外見が全てなんだからメスを入れて美しくする…整形を扱ってはいるものの、社会が求める価値を自分は持っていないとコンプレックスを抱えてしまうのって普遍的で誰もが共感しやすい問題だと思う。

整形でコンプレックス改善するならやった方がいいと思ってたけど、むしろ自分を確立していないと改善は難しいんだなと気付いたよ。自分の評価を社会へ丸投げしていた場合満足は出来ないし、何よりも搾取構造に組み込まれてしまう危険がある。このカリカチュアが今作は抜群に上手くグロテスクだ。

見た目にコンプレックスを抱えた主人公だが心は優しい、なんてことはない。外見重視社会を妬み人生に絶望して親の脛を齧りまくり、コンビニで買った酒とお菓子を貪りながら誹謗中傷コメントを書きまくる主人公を好きになれるか?悲しい被害者ってだけにしないのにフェアさを感じる。

そう言えば親も脛を噛ってたし、エグすぎる脛を噛る描写もあったねぇ……一事が万事こんな風に、例えや風刺をそのまんま映像にした面白さが詰まってるね。

ルッキズム問題も勿論あるけど、社会や他者からの評価こそが自分の幸せであると思っている人の悲劇としてズシンときたね。他人事とは思えない。主人公は外見重視社会を叩き付けられ評価されないと思い込んでから努力を辞めてしまったが、自分もいつそうなるか分からない。いや、なってるかもしれない。

どんな小さなことでも、自分で自分を誉められる何かを見つけている人は強いよ。そもそも他者からの評価を幸せに結び付けていない人も強い。もし評価=幸せになってしまったら、評価を握る奴ら、評価アップの手段を握る奴らに人生捕らわれてしまうからね、、、