光光太郎の趣味部屋

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映画:コーダ あいのうた

Both Sides Now

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フォーラム東根にて鑑賞。

久し振りに映画館で泣いたな…。ロマンチック過ぎる。手話映画、演技の情報量がとてつもなく多くて全く飽きることなく楽しめた。こんなにも、こんなにも豊かだとはね。

主役家族はデリカシーが皆無なだけでお互いにしっかり思いあっていたし反省も出来る人達だから、事前に身構えていた「家族の呪い」系では全然無かったね。寧ろ思いあっている気持ちをどう伝えるかという映画だった。

この映画はすげぇとのめり込んだのはルビーが歌う時の気持ちを手話で表現するシーン。歌唱技術だけでなく表現したい根っこの部分こそが魅力的なのだと分かるし、言葉でなく手話の方が伝えられるというのは彼女自身の人生を観客へ伝えることでもある。演出にもなってるのだ。

手話で唸ったのは漁業集会でお父さんが&ルビーが話すシーンで、三重の意味が込められてる。

・物語→組合結成のきっかけ
・手話の必然性→あの空間でイニシアチブをとり皆へ意見を伝えられるのが手話+訳だけ
・演出→文脈関係なくその場のコメディとしても面白い


全く上手く説明出来てないけど、ほんとあのシーンは凄い。物語も動くし手話を使う必然性もあり、コメディシーンにもなってる。エターナルズしかり、手話を使った作劇には無限の可能性があるなと思ったね。

これ突き詰めるとサイレント映画に行き着くか?と思ったけど、サイレントの表現と手話とは似てるけど異なるものだろう。


ふと思ったが、手話でもスラングとか創作とかいっぱいあるんだろうな。コンドームのくだりは申し訳ないが笑っちゃったよ。手話で話してる人は手での表現が巧みすぎる(笑)


コーダとかスクールオブロックみたいな、音楽や歌を学ぶことで自分を表現していく展開に弱すぎてボロボロ泣いちゃう。自分を抑え込んでいるな…と察してそういう教え方をする先生もいい。

こんなにもポリティカリコレクトネスに溢れてそうな題材なのに鼻につくような箇所はほぼなく、軽快に進んでいくのがとても良かった。やろうと思えばもっとリアルにシリアスに重い話にも出来るんだろうけど、これはそういう映画じゃない。あくまでもロマンティックなお話なんだ。