光光太郎の趣味部屋

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映画:死霊のえじき

U-NEXTにて吹替でみた。これだけレンタル屋になくて観てなかったんだよな。

ロメロゾンビ三部作の最終作だけど繋がりはほぼない。が、三作全てで「ゾンビ」というモンスターへのアプローチが異なるので続けてみると面白いだろう。今回はゾンビ達からある程度隔離されており襲われる危険性は前作よりも少ないものの、内輪揉めがパワーアップ。

学者、技術者、軍人と明確に組分けがされ、彼ら各々が自分優先の行動を取るので揉める揉める。でも殺しあっても現状を打開出来ないのは全員知ってるから膠着状態が続くが、そんなことお構い無しなマッドサイエンティストやメンタル不安定な人が引っ掻き回したりして、、これで1時間弱保つのが凄いぜ。

軍人は一番体を張り犠牲にもなるから命を守るのを最優先にする余り暴力的になる。技術者は絶対に必要であり殺されないことが分かってるので少し余裕があり立ち回るが、それ故に周りをイラつかせることもある。学者は合理的判断を下せるが、それを強く主張するので一番のストレスにもなってると。

学者のサラはメンタル強いし正論言うけど協調性があるとは言えない。軍人のローズ大尉は暴力統率者だが彼の怒りには納得できる理由があるし、何より弱さを感じるから(髪型のせいか?)悪人には見えない。ヘリパイロットのジョンは大人な立ち回りをするがトンデモ思想をかましたりする。肩入れ出来ない。

前作ゾンビでの暴走族は完全に悪玉として描かれてたけど、今回の3組は1作目の「全員正しくて間違ってる」の完成形に思える。全員にある程度正当性がある、つまりバランスが少しでも崩れれば破滅するので揉め事が続いても緊張感が阻害されないと。

唯一狂人なのはゾンビを家畜化する実験に取り組むローガン博士。人権全無視なマッドサイエンティストなんだけど、彼とバブの関係、及び実験結果は三部作通じて最も希望的な場面だったりもする。面白いバランスだわ、、

ただ、このバランスを崩すのがマッドサイエンティストではなく、メンタルやられた病人のちょっとしたミスってのはどうなんだろうな……今なら間違いなく問題になる要素だ。