2019年映画部門賞&ワースト3
こんにちは。
光光太郎です。
さて、先日は2019年の新作映画ベスト10を書いたわけですが
今回はベスト10外のイチオシ作品、そしてワースト作品を挙げていこうかと思います。
それでは早速!!!オチは無い!!
ベスト変身!賞 「シャザム!」
シャザム!
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年4月19日
このヒーローは何が特別なんだ?他のヒーローと何が違うんだ?今までのヒーローと同じような没個性なんじゃないか??
ってのがマイルドにネタにされまくるんだけど、そこへの解答こそが激アツ。
今年観た映画の中で一番いい「変身!」は「シャザム!」。掛け声と共に変身するのが日本ヒーローっぽくて親しみがあるし、跳んで変身!が何より堪らない。ジョーカー、アクアマン共に、今年のDC映画は当たり年ですよ!
ベストロボット賞 「バンブルビー」
そう言えばパワーチャージバンブルビーを買ったんですが、変形が難しくて何度も壊しそうになった…でも遊びがいのある素晴らしいオモチャだね。 pic.twitter.com/Qntzh67MIv
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年4月21日
ビートルから変形するナイスボーイ、バンブルビーが今年のベスト・ムービー・ロボット。何故ならば、変形ロボット玩具で遊んだ人ならば間違いなくやったであろう「変形を使ったバトル遊び」が満載だからだ。変形という玩具都合を戦術に組み込んだ数々のアクションは観やすいよう設計されているので、ベイ版の様に疲れることはない。実際のオモチャもいいぞ!
ベストエッチ賞 「海獣の子供」
最近映画を「エッチかエッチじゃないか」で観てしまう自分がいる。海獣の子供は直接的な描写が皆無であるにも関わらず、大変エッチでした。プロメアは単純にボーイズです。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年6月12日
海獣の子供、すげー露骨だけど詩的な生殖行為の直喩にはビビった。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年6月12日
映画を観る楽しみの一つがエッチさだ。しかし露骨なエッチならFANZAにでも行けばいい。エッチだけどエロではない、そのバランスに挑戦している作品が好きだ。
ではこの「海獣の子供」はエッチに挑戦しているのか?それは否だと思うが、生命力溢れるアニメーションに何故かエッチ味を感じてしまう。煽情的とでもいうのだろうか…命が命であることがエッチさに繋がっているのか…。
ベストざまぁ賞 「キャプテン・マーベル」
「キャプテンマーベル」観た。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年3月15日
この映画は「粋」によって支配されている。ロジックよりも何よりも「粋」かどうか。粋な会話、粋なアクション、粋なユニバースネタ……姉御キャロル・ダンヴァースの「粋」に惚れるしかない。楽しかった!
抑圧的なクソ野郎が追い詰められても尚勝手な理屈を押し付けてマウントを取ろうとする…瞬間に理屈を超えてぶっ飛ばす!あんなにも胸のすくシーンがあっただろうか。男だとか女だとか関係なく「ざまぁみろ!!!!!!!!!!!」と思える名シーンだろう。というかフォトンブラスト撃ちまくるキャプテン・マーベルが超カッコいい。
ベストエンタメ賞 「プロメア」
起承転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転転結の凄みを観よ!アクション!ロボット!メカニック!声!アニメーション!!!キレのいいラスト!
ベスト怖い賞 「ザ・バニシング -消失-」
「バニシング 消失」
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月22日
観客と主人公の思惑が一致した後の地獄。
今年最も怖かった映画はこれ。新作ではないが映画館で鑑賞した。
ゴア描写は無い、すごんで脅すシーンも無い。あるのは静かな狂気と「興味関心」という最悪の罠。ホラー映画を観に来た観客に対する「ざまぁ!」でもある。
さて…
それでは…
ワースト3を書いていこうかと思う…。
ワースト3位 「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」
フィルマークスで書いた感想が全て。
結局のところ、MCUや映画そのものの相対化というギミックの為だけに作られた映画であり、スパイダーマン=ピーター・パーカーの物語は殆ど進んでいないのだと思う。
私は、MCUには、本編よりもクリフハンガーの方が面白いような存在には、なって欲しくなかった…。
エンドゲーム後でもあり、大好きなホームカミングの続編でもありで期待度MAXで観たものの、劇中で示されたピーター・パーカーが乗り越えるべきものがほぼ解決されずになげっぱで終わるのが残念でならなかった。プロットもホームカミングと殆ど同じだし…。しかし何よりも、クリフハンガーが一番面白いと感じてしまったのが、何よりも残念だった…。トム・ホランドとデンゼイアとジェイク・ギレンホールは最高。
ワースト2位 「メリー・ポピンズ リターンズ」
いやほんと、劇中で語られた教育要素の全てを無にかえすよ、あれ。だんめだめでしょ。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年2月1日
楽曲はどれも良いと思うし、日本語で歌いあげられた曲も本当に良かった。レッドレーサーが歌ってるし…。正直途中までであれば名作と言っていたかもしれない。
しかし、ラストにおいて急転直下。メリーポピンズは教育者であり「メリー・ポピンズ」という作品は道徳的な作品でもあったと思うのだが、今作は結局「悪は絶対に救われない」とダメ押描写すらしている。この一点で、原点へのリスペクトに欠ける最悪なリメイクだと言わざるを得ない。
ワースト1位 「サムライマラソン」
無。
オリンピック記念かと思いきや全く一般向けでなく、グロ描写をしたかと思えばギャグで落とす。群像劇であるものの群が交わらないし、役者の演技もかみ合わず好き勝手。マラソンもグダグダでスピード感はない。佐藤健の凄みだけが救い。これと比べれば3位2位はアルティメット大傑作です。
ていうかだれか観たのかこれ?????????????
2019年新作映画ベスト10
こんにちは。
光光太郎です。
早いもので今年もあと4日、師走も師走でございますので今年観た新作映画のベスト10とワースト3をまとめてみようと思うわけで。
因みに旧作、ネトフリ新作含めての鑑賞回数は44回で昨年から11回減。仕事の激務や転勤も相まってあまり新作を観れなかったなぁ…。建値で観たとしたら81,700円、毎回ポップコーンセット買ったとしても118,800円!!
昨年のベスト10記事。
テン年代ベストも。
それでは早速行くぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ザワ観てきたんですが、ここ数日でハイローに慣れてエピソード0も観たから「楽しみ方」を分かってたおかげで面白く観れたぜ!轟最高!
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年10月19日
田舎映画館でも上映していたハイロー。観たこと無かったのでHuluでドラマや映画を予習してから臨んだら…滅茶苦茶面白かった!!ザム(映画1作目)の段階で凄く出来のいいMOVIE大戦…つまり「キャラの掛け合いの妙」「カッコいい挿入歌+アクション」「いかしたバイクの撮り方」があるのだ。
んでもってこのザワ。キャスティングの段階で
志尊淳(トッキュウ1号)
山田裕貴(ゴーカイブルー)
塩野瑛久(キョウリュウグリーン)
とスーパーヒーロー大戦なわけだが、本家よりも「こちらを立ててあちらも立てる」が上手い。今回はハイロー世界の鬼邪高校とワースト世界の鳳仙高校とがクロスオーバーするわけだが、そのどちらもが噛ませ犬になること無く、またメインキャラ全員に見せ場が用意されているのだ。ラスボス戦があまりにも薄味だが、アイデアとキレが堪らない戦闘シーンと、何よりも「行くぞてめぇら駆けっこ」が最高すぎる!轟最高!!
9位 「マリッジ・ストーリー」
マリッジストーリー、会話劇で同じ様な切り返しショットが多かったりするのに全く飽きないのは編集の心地よさと緊張感ある演技によるものかね。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年12月18日
映画館ではなくTVで鑑賞。小さい画面で、内容もほぼ会話劇で派手な見せ場も皆無なのに、全く目が離せなかった。メインキャストはアダム・ドライヴァー、スカーレット・ヨハンソンとどちらもブロックバスター映画シリーズに出演しているヒーロー役者だが、今回は肉体アクションではなく口撃アクション演技バトルで役者力を見せる魅せる。
本当に地味な作品なんだが、だからこそ演出や編集、演技の一つ一つの巧みさが分かる。爆発と殺人と殴り合いがなくとも、興味関心を引っ張り続けることは出来るのだ。
面白ポイントを挙げるなら、おもちゃ使いだろうか。エメゴジや遊戯王カードなど一目見るだけで分かるものだけでなく様々なものが出てくるので必見。
8位 「天気の子」
「天気の子」観た。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年7月19日
物語の筋が非常に分かりやすくオーソドックスなので「君の名は。」ほど戸惑いはない。むしろ物凄く面白がれた。若者、特に未成年の特権の暗部と明部をより推し進めて信じたような、そんな話だった。
君の名は。は感情と謎の引っ張りが見事なんだが、対して天気の子は、確かに感情の物語ではあるものの、寓話を描くための感情という位置に留まっているような気がする…。一本芯の通った演出された感情…それは最早ロジカルなのでは……と…。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年7月21日
8位は新海誠作品。 「君の名は。」の時は散々悩んだが、今回は「間違ってもいい若者が突っ走る話」「大丈夫と言えるまでの話」として非常に分かりやすかった。私は今をもっても主人公の帆高君が大嫌いなんだが「グランドエスケープ」シーケンスを思い返すと涙が溢れてくる。現実の水害が半端じゃないものになってしまったのでTV放映は難しいかもしれないが、是非やって欲しい。
ヒナタカさんと話したぜ!
7位 「ブラック・クランズマン」
ブラッククランズマン、しんどかったがここまで真っ直ぐな映画もないな。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年3月27日
ここでもアダム・ドライヴァー。黒人警察官がKKKに潜入捜査という、絶対に面白くなる筋書きではあるが(しかも実話!)そこに映画史や役者の熱意、潜入ものエンタメを交えることで、非常に熱い魂が現出している作品となっている。差別問題を意識高い系で捉えるのではなく、自分の魂を見せつけ観客へ人差し指を突きつける…熱いとしか言えない作品だ。
激熱な書き起こし。
6位「アクアマン」
アクアマン、頭空っぽにして楽しめるエンタメだったぜ。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年2月8日
アクアマン、The・CGって感じのCGだし全部台詞で言うし音楽鳴りっぱだし間の抜けた撮り方とかもいっぱいあるのに、滅茶苦茶楽しいんだよね。楽しいのよ。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年2月8日
平成ライダーの楽しみ方に最も近いかもしれないDCヒーロー映画。とにもかくにもカッコいい見得切りが大量にあるのだから、ヒーロー好きとしては堪らないエンタメだ。アクアマンを演じるジェイソン・モモアの「ワイルドでセクシーで気さくなおっちゃん」というキャラクターは発明かもしれない。原作では見た目が全然違うらしいし…。
5位「クリード 炎の宿敵」
クリード2、観た。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年1月12日
ちょっと健康に害を及ぼすレベルで泣いたな…。号泣どころではない。
クリード2、前作よりもカメラの移動はグッと抑えられ、ロッキー1作目のような落ち着いた画面になった。加えてワンカット長めで芝居をじっくり撮る。地味にじっくり重厚に人生を撮る、このスタンスを最初で示しきる。降参。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年1月12日
新時代のロッキー作品、クリードの続編。今年一番泣いたかもしれない。人生という戦いはこれからも続くのだ…。
4位「見えない目撃者」
「見えない目撃者」観た!
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年10月2日
滅茶苦茶面白かった!ご都合主義や台詞ペラペラはあるけど、物語と人物心情ががっちり噛み合ってるので不自然さはない。序盤から積み上げられたドラマ・カタルシスに思わず泣いた。アイデアもざまぁ!もゴア描写も満載!!でも二時間越えは長いよ!
転勤後、映画館で初めて観た映画であり、久々に号泣した「ヒーロー映画」だ。強力かつ簡単に拡がっていく悪、脆いものの確実に継承されていく正義。良い行いを目指すべき価値が描かれている、正しくヒーローの映画だろう。無茶苦茶カッコいいシーンもあるエンタメ映画でもあるぞ!
感想も書いたぜ!
3位「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」観た!!!!!!
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年5月31日
いや……これは凄すぎる……オタク映画だよ…………究極のオタク映画や…………。
もう生まれた時からゴジラを観ている(詳しいとは言ってない)身としては、もうエンドゲーム級の感動があったんすよね、キング・オブ・モンスターズは。DNAに刻まれたものを、鼓動を呼び覚まされるんすよ。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年6月1日
最高最強最凶のオタク映画。ハリウッド大作で、怪獣バトルをやって、あの音楽が流れる!ゴジラファン、特に平成ゴジラを観続けてきた身としては本当に卒倒しかける様なシーンが目白押しだった…。人間側のどうでもいいストーリーはともかく、怪獣達の驚天動地のバトルを、伏して拝むのだ!!!!!
2位「スパイダーマン:スパイダーバース」
スパイダーバースの宣伝文句は「運命を受け入れろ。」これは「大いなる力には大いなる責任が伴う」と被るスパイダーマンらしい文句だなと思ったけど(これライミ版でもあったよね)、本編観ると、これとは全く異なる印象になると思う。受け入れるんじゃない、選ぶんだ。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年3月9日
映画においてスパイダーマンの物語が語られるのは何度目だろうか。しかしこれはピーター・パーカーではなくマイルズ・モラレス。新時代のスパイダーマンの物語だ。スパイダーマンとはなんなのか?特殊能力を持つ人か?責任に立ち向かえる人か?いや、悲しみに共感でき、悲しみから立ち上がれる人がスパイダーマンなのだ。
お話だけでなく、アニメーションもとんでもない。字幕で観ると間違いなく疲れるので、最初は吹替をお勧めしたい。
1位「アベンジャーズ/エンドゲーム」
MCUは「アベンジャーズ」という言葉を作った。全世界共通の、MCUを観た人なら誰もが分かる概念を言葉にしてくれた。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年4月26日
東宝仙台にアベンジャーズ参戦! pic.twitter.com/5huPiRLtTZ
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年4月26日
写真撮らせてください!と頼んだらむしろ貸すよと言われ…! pic.twitter.com/KL9Gew1KOH
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年4月26日
特別枠にしようとも思ったが、質でも思い入れも映画館体験としてもぶっちぎりなので、やはり今年の1位は「アベンジャーズ/エンドゲーム」だ。
公開初日初回の仙台TOHO、満員。公開初日最後の仙台TOHO、満員。恐らく東北中のMCUファンが集まったのだろう。ロビーでの熱気、上映中の反応、上映後の語らい…あんなにも「好き」が集まった空間があっただろうか…。
公開初日、早朝上映終わりにヒナタカさんと語り、レイトショー終わりに友人と一緒に語り…その後も何回か観に行ったが、やはりいつ観ても劇場の空気は熱かったし、追悼シーンでは嗚咽が漏れていた。
アイアンマンから数えて足かけ10年以上、世界と共に、ファンの人生と共に歩んできたMCUがひとまず完結。これに立ち会えたことが、今年何よりも嬉しいことだったと思う。1位!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さてそれでは順位の振り返り。
- アベンジャーズ/エンドゲーム
- スパイダーマン:スパイダーバース
- ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
- 見えない目撃者
- クリード 炎の宿敵
- アクアマン
- ブラック・クランズマン
- 天気の子
- マリッジ・ストーリー
- HiGH&LOW THE WORST
邦画3つ洋画7つ。
シリーズもの6つ。
アニメが2つ。
今年は映画界が滅茶苦茶盛り上がる機会が何度もあったし、マジョリティ層に受ける作品も多かった1年だった。来年も趣味を楽しんでいきたいですな!!
映画:フラッシュダンス ~自分らしくあること~
こんにちは。
光光太郎です。
今回は1983年の青春映画「フラッシュダンス」の感想。
Netflixで見かけ何の気なしに再生し、作業しながら観ていた。メジャーすぎる曲の連続で半笑いを浮かべていたが、最後には号泣してしまった…。なんたって、ダンス版さわやか版青春版の「ロッキー」なのだから。
主人公は、ダンサーになる夢を抱き努力をしつつも前に踏み出せない女性アレックス。そんな彼女が友人達の夢や挫折を目撃し、真に自分らしくある為にオーディションへ挑戦する…というのが大体のあらすじ。
とにもかくにも打ちのめされたのは「思いの発露」の場面だ。
自分を抑えまくっている生活を続けていると、抑え付けても溢れてしまう感情を精いっぱい表現するシーンにはどうしたって心動かされてしまう。今作のダンスシーンは正にこれなのだ。
冒頭、TVに映るバレェを観ていたアレックスは、思わず踊りをマネしてしまう。憧れを目撃し、心躍れば練習せずにはいられない…体を通して自分を表現せずにはいられない。ここで流れるのが「マニアック」!
「踊らずにはいられない!」アレックスが自分へ正直になりとことん自己表現するこのシーンにもうやられてしまった。決してお尻にやられたわけではない。
学校教育にダンスが導入されて久しいが、自己表現としてのダンスを体験できるのは素晴らしい経験だと思う。是非授業前には今作や「グレイテストショーマン」を観て欲しい。
しかし、どんな時も自分らしくいるのは難しい。
アレックスは踊りまくって上がったテンションそのままにバレェ団のオーディションを受けに行くものの、周囲とのあまりの違いに怖気づき受付もせずに帰ってしまう。途中で恋人に指摘されるが、彼女は結局言い訳をして挑戦しないだけなのだ。年の離れた友人も、職場の先輩も、誰もが彼女に「それは言い訳だ」と言い放つ。何故なら、彼らは決定的な挫折をしてしまい、今や夢を抱くことしか出来ないからだ。それもまた「自分らしくあること」かもしれないが、アレックスは「自分らしくあること」と「夢の実現」をクロスさせるチャンスを目前にしながらも踏み出さないでいる上にあまつさえ責任転嫁しムダにしようとしている。そんな姿を目にしたら、言葉をかけずにはいられないではないか…。
努力し挑戦するも挫折するしかなかった友人たちの人生を受け、彼女は遂にオーディションへ挑戦する…ここでかかるのが「What A Feeling」!!ここまでのドラマが全て集約する!!!
ダンスは自己表現…彼女は自分の全てを出し切る創作ダンスを見せる。
バレェへの憧れを胸に培ってきたしなやかなダンスだけでなく、ナイトステージで磨き上げたアップテンポのフットワークやストリートで目撃した所作やブレイクダンスなど、これまでのドラマが全て集約されたダンスになっている。何よりも伝わるのは、踊っているこの瞬間が何よりも楽しい!という気持ちだろう。
自分を抑えた生活が続く中でこんなの見せられたら、泣くしかない。自分が自分らしくあれる喜びが溢れまくっているシーンなのだから…。
振り返ってみてもやはり「ロッキー」の影響は無視できない。ロッキー達に比べれば100倍さわやかな登場人物達だしどん詰まり感も無いが、挫折とチャンスに纏わる話であること、基本の人間ドラマをしっかり描きそれを終盤の体技に集約させることなど、似ている面は多い。ただストップモーションで終わるのまで一緒なのはやりすぎな気がする(笑)。
色々書いてきたが、ダンスシーンは見ごたえあるし音楽はどれも最高だししずる感が溢れ陰影ばっちり決まった映像はカッコいいし尺も短いしで、気軽に楽しむにはもってこいの一作だ。吹替もいいよ!!
おしまい。
光光太郎の映画テン年代ベストテン
こんにちは。
光光太郎です。
先日Twitterを眺めていると尊敬するブロガーの方がこんな記事を書かれていた。
2010年代があと1ヶ月ちょいで終わる…2000年代の終わりには思いを馳せなかったが流石にこの10年は、中学から就職までは濃密だった。人生が形成された時期と言っても過言ではない。そして、映画を趣味にしたのもこの10年である。
つまり「映画テン年代ベストテン」を考えるのは自分の実人生と趣味人生を考えるのと同義なのでは…なんて重さは抜きにして、この企画に乗ってみるっきゃないでしょと!
そんなわけで、ワッシュさん発案のベストテン企画、やってみるぜ!
第10位「仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!」(2012年日、坂本浩一監督)
高校3年の夏に地元の映画館で観て「泣く」初体験をした作品だ。
仮面ライダーの夏映画は本編の総決算的な内容が多い。今作は正に、仮面ライダーフォーゼが1年間何をしてきたのか?を示し切っているだろう。ダチはダチを呼ぶ、ヒーローはヒーローを作る。恩返し構造は前作の「運命のガイアメモリ」でもあったし映画館でも観たが、私は今作の徹底ぶりにこそ初めて涙を流した。というか神保悟志の「分かった」というセリフで号泣した。これ以降涙もろくなったなぁ…。
①仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!
— 光光太郎 (@bright_tarou) October 15, 2016
人生で初めて泣かされた作品。如月弦太朗という人物が行ってきたことが結実していく終盤のシーンは何度見ても嗚咽してしまう。説明も理屈もいらない、ただ助けるだけ。泣く。https://t.co/9QrE8wHpgf
第9位「スポットライト 世紀のスクープ」(2015年米、トム・マッカーシー監督)
何度も観返してるわけじゃないのだが、挫けそうな時はいつも今作を思い出す。正しいことをする難しさ、それでも貫くべき意義。それを実話ベースでじっくりと、それでいてエンタメ性たっぷりに描く。
スポットライト、間違っても、諦めても、正しいことに向かっていいんだ、という事を示していて、なんて勇気の出る映画なんだと思ったね。
— 光光太郎 (@bright_tarou) April 15, 2016
大切なのは「動いている」今だと。
スポットライトもそうだけど、ジャーナリズム映画は難しそうに見えてもしっかりエンタメになるんだな。巨大な悪、泣かされる人々、寄り添い暴く記者…この構図が既にヒーローものだけど更に現実事件を題材に出来るから、確実にそこにあったヒロイズムをロジカルに描くことが出来る。
— 光光太郎 (@bright_tarou) March 1, 2019
ただ面白く正しく勇気を与えるだけでなく「ちゃんと情報を受け取れよ」という鋭い指摘もしてくる。やはり、どうしても忘れられない映画だ。
スポットライト、どこまでいってもあの記事は、毎日発刊される新聞の1面「膨大な情報の中の1つ」に過ぎないわけで。
— 光光太郎 (@bright_tarou) April 18, 2016
我々受け手も、情報を知るという行為を疎かにしてはいけないなと思うよね。
第8位「パシフィック・リム」 (2013年米、ギレルモ・デル・トロ監督)
やはりテン年代でパシリムは外せない。
今でこそ怪獣やロボットが大スクリーンで大手を振るって登場するが、それはパシリムがあってこそだ。巨大(ここ重要)ロボットが巨大怪獣と接近戦をする!地に足付けて雨の中殴り合う!これを最大限盛り上げるための数々の「タメ」演出。更に地盤を固める分かりすぎた美術デザインの数々。海外監督の計算高さと熱い思いにうたれ最強の吹替陣を用意した日本ワーナー。そしてそれに応えまくったファン達…パシリム以降「ファンが作品を支える」流れが一気に活発化したと思う。
4DX初体験は今作だったか…大学の教授が何人か観に来ていたのを覚えている。大学のスクリーン使って上映会もしたなぁ…。
テン年代とは、巨大特撮の氷河期が全世界規模で終結した年代であり、その口火を開いたのが「パシフィック・リム」なのだ。どう考えても、そうなのだ。だろう?
第7位「アメイジング・スパイダーマン2」(2014年米、マーク・ウェブ監督)
初鑑賞時に怒り狂ったのを覚えている。こんな詐欺宣伝があるかと!全然3人ヴィランじゃねぇじゃん!!!!とね。駄作だと思った。元々「アメイジング・スパイダーマン」も好きじゃなかったし…。
しかし大学の先輩からBlu-rayを借りて観なおしたら冒頭から号泣してしまい、それ以降何度も観返している、大傑作だ。この間その先輩と一緒に友人宅へ泊った時には「ちょっとだけだから…」と言いつつ2時間30分近くある今作を全部観ていた。
何故こんな手のひら返しをしたかというと、アメスパ1、2を通しての「因果応報」と「ままならなさ」そして「ヒーローの意義」というテーマに、ラストに流れるあの音楽に心底胸を打たれたから。今では「スパイダーマン2」と同じくらい好き。
これ以降ずっとアンドリュー・ガーフィールドを応援してます。「ハクソー・リッジ」もいいよ!
第6位「クリード チャンプを継ぐ男」(2015年米、ライアン・クーグラー監督)
これも思い出深い作品だ。
幼い頃から父親にロッキーシリーズやランボーシリーズを観させられてきたが、 良さが分かったのは大学に入ってから。「ロッキー・ザ・ファイナル」でロッキーが息子に語る言葉に泣いた。父母の前でね。
そして映画館で今作を観て、Blu-ray発売されてから父と一緒に観た。前述したように父はロッキーに思い入れが滅茶苦茶あるし、近年のリメイクや続編にはあまり関心がないので正直不安だったが、観終わった後に「いい映画だったな」と一言。嬉しかった。「クリード 炎の宿敵」を一緒に観た時も同じことを言っていた。
bright-tarou11253350.amebaownd.com
前のブログで書いた感想。いつか引っ越しさせよう!
間違いなく内容について一番考えた作品だ。
初見では全く意味が分からなかったし震災後にこの内容はどうなんだと憤りもあったが、何故か嫌いになれなかった。その後2か月に渡って「何故この映画はこういう内容なのか?」を考え、再鑑賞した際には泣いてしまった。それ以来劇場でも何度も観て、Blu-rayでもずっと観ている。作品として面白いのは勿論だが「映画を考える」ことの面白さ満足度がずば抜けて高かった。
あと、今作の楽曲や感想を共通言語として、映画をあまり観ない色んな人とコミュニケーションとれたのも思い出深い。映画はコミュニケーションツールになる!映画を趣味にして本当に良かった。
第4位「若おかみは小学生!」(2018年日、高坂希太郎監督)
人生で初めて「布教用」としてBlu-rayを買った作品。
当初は絶対に観ないと思っていたがあまりの評判故に観てみたらやられた、というオーソドックスな体験をした。公開終了直前に観て、親子連れのお母さんが鼻をすすっていたのをよく覚えている。私も子供が頑張る系の話には弱い。トッキュウジャーのOP聴くと今も泣く。
今作は、考え方一つで人は前を向ける、という話だと思う。映画や本、アニメ、特撮ドラマは様々な「考え方」を提示する…子供達に向けた作品ならば猶更だ。作り話が存在する意義を描いた映画とも言えるかも。思えばテン年代は「フィクション」と向かい合い続けてきた10年間だった…。
第3位「映画 HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ」(2018年日、 宮本浩史監督)
今を生きる子供達に、プリキュアをかつて観ていた人たちへのメッセージに一分の隙も無い、本当に優しい映画だ。
テン年代はSNSの発達により実に様々な意見が世に出るようになったし、社会の暗部も目立つようになった。家族形態も特殊化した。色んな問題が常に身の回りに表示され続けるようになり、自己肯定感が低くならざるを得ない状況にあると思う。
そんな中で「思い出は力になる」「どうあっても自分は自分」「未来は白紙だからいくらでも良く出来る」という、過去と現在と未来の全てを肯定するメッセージを巧みな構成で見せた今作は、前述した通り優しい映画だ。
自分がテン年代の中で培ってきた「結局今踏ん張るしかない」というモットーにもドスンとハマるテーマだったので、観てからしばらくは思い返し泣きが止まらなかった。仕事中も何度も泣いたな…。
第2位「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(2014年米、 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督)
MCUの中で選ぶなら、一番好きなこれ。MCUを本格的に追う切っ掛けであり、映画にのめり込んでいく切っ掛けでもある。エンドゲーム劇場鑑賞時のあの感動も、今作を観ないと得られなかった。
キャップのカッコよさ、サスペンスフルな展開、超人過ぎないが故にスリリングなバトル、ユーモアのセンス、超カッコいいモダンなエンドクレジット…何もかもが完璧な作品だが「支配された安全と困難な自由」という鋭すぎるテーマを突きつけてもいる。会社におんぶに抱っこでいる現状はヒドラに支配されているのと変わりないのではないか?と自問自答する機会も増えた…。それでもやはり、踏ん張るしかないんだろう。
第1位「シン・ゴジラ」(2016年日、庵野秀明総監督、樋口真嗣監督)
面白さ、人生、趣味…全てにおいて自分のテン年代トップに立つのは「シン・ゴジラ」以外ありえない。
面白すぎて衝動的に続けて2回目を観たのは今作だけだし、人生においても絶対に欠かせない作品だし、映画や特撮やTwitterといった自分を取り巻く趣味の盛り上がりにおいてもテン年代でトップクラスだった。今となっては結構しんどい記憶も付いて回るのだが…(笑)。
初めてやったアルバイトで貯めた金をシン・ゴジラ周りのグッズにつぎ込んだ。友達と一緒に何度も観た。初IMAX体験は今作だった。頑張って書いたブログ記事が大勢の方に読まれた。本当に、映画単体以上の存在になっている。
まぁ何よりも、テン年代でぶっちぎりに面白い邦画でもあるってことですよ。
bright-tarou11253350.amebaownd.com
さて、それでは順位を振り返ってみる。
- シン・ゴジラ(2016年日、庵野秀明総監督、樋口真嗣監督)
- キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014年米、 アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督)
- 映画 HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ(2018年日、 宮本浩史監督)
- 若おかみは小学生!(2018年日、高坂希太郎監督)
- 君の名は。(2016年日、新海誠監督)
- クリード チャンプを継ぐ男(2015年米、ライアン・クーグラー監督)
- アメイジング・スパイダーマン2(2014年米、マーク・ウェブ監督)
- パシフィック・リム(2013年米、ギレルモ・デル・トロ監督)
- スポットライト 世紀のスクープ(2015年米、トム・マッカーシー監督)
- 仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!(2012年日、坂本浩一監督)
高校時代1本、大学時代7本、社会人時代2本と、大多数が大学生の頃に観た作品となった。人格形成においても趣味においてもやっぱり大学時代が一番影響が強いなぁと。邦画と洋画は丁度半々。まぁ邦画は殆どアニメだけど(笑)。
10本の共通点を探すと、やはり「ヒーロー」や「正しさ」「今」なのだと思う。これらを考え続け、支えにして、色んな場面を乗り越えてきた10年間だった。乗り越えるだけで目指すべきものが中々見えないが、まぁ「いい人」になる為に次の10年も頑張ってみよう。
ま、シリーズでいえば間違いなく「MCU」が映画テン年代を代表することになるでしょうね!!!!!!!!
おわり。
映画:見えない目撃者 ~善と悪の継承~
こんにちは。
光光太郎です。
引っ越して間もない頃、近場の映画館で観た1作の邦画。久しぶりの映画館での鑑賞だった。「サバイバル・ファミリー」の時もそうだが、久々に映画館へ行くと心に響く作品と出会うことがある。
「見えない目撃者」もそうだった。まさか「魂の継承」の話、もっと言えば「ヒーローについての物語」だとは思わなかったので、号泣してしまった…。
というわけで今回は「見えない目撃者」の感想をさらりと書きたい。物凄く観念的な話になる気がする。
視覚障碍者の元刑事、なつめは誘拐事件の「目撃者」となる。しかし目が見えない彼女の証言を警察はなかなか信じない。なつめは事件現場にいたもう一人の目撃者、春馬と共に事件解決の為に奔走するが…。というのがあらすじである。
■鑑賞後ツイート
「見えない目撃者」観た!
— 光光太郎 (@bright_tarou) October 2, 2019
滅茶苦茶面白かった!ご都合主義や台詞ペラペラはあるけど、物語と人物心情ががっちり噛み合ってるので不自然さはない。序盤から積み上げられたドラマ・カタルシスに思わず泣いた。アイデアもざまぁ!もゴア描写も満載!!でも二時間越えは長いよ!
諦めていたけども、何か、何か出来ることがあるはずだ。ささやかな、何かにすがるようなこの思いが継承されていく。これ、小説仮面ライダー1971-1973なんすわ。泣くやん?
— 光光太郎 (@bright_tarou) October 3, 2019
ドラマ部分で割をくう吉岡里帆だが、演技ととあるシーンの愛嬌、何よりもあの仁王立ち!!!カッコよすぎるぜ!!! pic.twitter.com/ztMNHF3cFu
— 光光太郎 (@bright_tarou) October 3, 2019
視覚障碍者が殺人事件を調査する、あまつさえ犯人と対決する…というとジャンル映画的な面白さを期待してしまう。勿論その面もしっかりあるが、何よりも素晴らしかったのは前述した通り「魂の継承」だ。正義の継承と、悪の継承である。主役の吉岡里穂=なつめはあくまでも伝える側であり、真の主役は受け手である高杉真宙=春馬だろう。
悪はたやすく伝播する。思いは関係なくただ悪を目撃するだけで、凶行へのロマンは継承されてしまい、その犠牲者はドンドン増える。気に入らない世界に対する独りよがりの反抗という非日常に浸るのは、確かに心地いいだろう。
見るだけ、ひとりだけ、誰かを傷つけるだけ…簡単だからこそ悪は継承されていく。
対して、正義の継承は難しい。そもそも現状では、正しさが望まれることは少ないのかもしれない。いや、大人が子供に正しさを示す機会が無いのかもしれない。なつめと共に嫌々ながら事件を追うことになる春馬は、親にネグレクトされ教師からは見放され、社会に絶望しきっている。将来の道も見えない。また、事件に関わった刑事の吉野と木村も、やっかいな事件故になかなか調査に積極的にならないでいる。
しかし、なつめは「人助け」という、絶対に正しい行いを春馬と刑事に行動で示し続ける。本当に事件があるかどうかは分からないが、そこに向ける正義の魂にどうしようもなく心が動くのだ。なつめ自身も、何もゆるぎない心を持っているわけではない。彼女自身もまた、再び燃え上がった心火へ必死にすがり、なんとか自分を保とうとしているだけだ。そのもがきを見た人もまた、心が静かに燃える。
助けを求める人がいる、自分にも何か、何か出来ることがあるはずだ…春馬と刑事達にも徐々に正義が伝播していく過程は、ヒーローを目撃した人もまたヒーローになるという「ヒーローについての物語」であり「スパイダーマン2」なのだ。信じたい綺麗事の寓話である。泣くしかない。
正しいことを行うのは難しい。強力な悪によって傷つけられ倒れていく人もいる。しかし、その戦いを目撃して正義を目指す人も確かにいる。倒れた人たちの魂は、確かに継承されたのだ。最後に春馬が言うセリフ、号泣です。
継承される正義の話、いやさ「ヒーロー」の物語としての決定版です。今作を観て真っ先に連想したのがこれ。
映画:恋は雨上がりのように ~今、ここから走り出す~
こんにちは。
光光太郎です。
人におススメしやすい映画を挙げるのは結構難しい。どんな好みを持つどの年齢層の誰に対して何をススメるべきなのか…パッと出ないものだ。
しかし、同年代の、あまり映画を観ない人に対しては「勝手にふるえてろ」「ちはやふる」「恋は雨上がりのように」をススメている。どれも近作で有名芸能人が出ているので名前だけ知ってる、という場合が多いので取っつきやすいし、何よりも爽やかに面白いのでおススメしやすいと思う。
そして、本日Netflixをぼんやり観ていると来週配信予定作品に「恋は雨上がりのように」があった!!!!昨年の傑作邦画、漫画実写化作品だったのでてっきり感想書いたと思っていたがブログにしていなかったので、忘備録としてまとめてみる。
公開当時、ライターのヒナタカさんにお声がけ頂き、語り合ったラジオ。本当に「雨上がりのように爽やかな映画」ですよね…!!
■ざっくり感想
「恋は雨上がりのように」観た。
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
アイドル映画でヒューマンドラマで漫画実写作品な、アルティメット邦画爆誕。小松菜奈が映るだけで笑みが綻び涙を誘う。全部台詞で言っているようでも、肝心なところはさりげなく。おっさんとJKの恋愛ではなく、その二人だからこそ出来る成長をエンタメに。最高。
「恋は雨上がりのように」小松菜奈が泣くだけでこっちも泣けてくるんだが、一番泣いたのは靴屋のシーン。言動小道具に至るまで配された優しさと察しに、自然と涙が溢れた。
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
冒頭走り出すシーンだけで『いい映画観てる!俺今いい映画観てるよ!!』ってさせてくれる。最の高。
※ワンショットで繋ぐファミレス仕事シーンも最高。
■小松菜奈
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 3, 2018
で小松さんが見せる部屋着はいくらなんでも健康的にエロいだろと思ったが、原作準拠だった。
変態ツイートしかしてないが、今作で一気に彼女のファンになった。すらりと伸びた手足、切れ長の目…まるで本当にあきらのようだ。激似。「来る」の小松菜奈も良かった!
■大人感が増した店長を演じる大泉洋
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
店長を演じる大泉洋も少しオーバーアクト気味だが滅茶苦茶良かった。バイトの子が職務中に怪我したなら親御さんに会いに行くとか、コーヒーカップ渡すときに持ち手を相手に向けるとか、気遣いできる大人。
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
青春映画なんだけど、店長のことを思う小松菜奈のまぁ可愛いこと可愛いこと。美人系なのに、仕草が可愛い。こんな子にあそこまで言い寄られて、悩みながらもベストな対応を返した店長は大人の中の大人だ。
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 3, 2018
原作やアニメだと店長はあきらに肩貸すとき「セクハラちゃうセクハラちゃう!」って悩むシーンあるんだけど、映画ではカットして即助ける。こういう細かな改変がスピード感を生み、同時に店長の大人描写にも繋がる。見事すぎる。
■自ら足を止めていた人達が、もう一度走り出すまでのドラマ
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
アキレス腱切るっていう、大事だけど決定的な傷ではないものを全てのドラマに絡めてるので、話がすんごい分かりやすかったのも良かったな。
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
原作の展開と異なるとしても、喪失した、したと思っている人達が再び前を向くためのお話としてまとめたのがマジでいいね。
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 3, 2018
印象的に繰り返される「こんなところで何してるんですか?」という質問が、いい。これにどう応えるかが、本作のキモだ。
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 3, 2018
今回原作にもアニメにもない要素としてパラパラ漫画が追加されてるんだけど、あれもすんごくいい。
要素は揃ってる。後はめくるだけ。
■原作、映画のラスト解釈
なんで映画がこういうオチにしたか。
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 4, 2018
恐らく小松菜奈の演技に、そして大泉洋との化学反応にかけたからだと思う。正に映画というメディアでやる意義があるラストではないだろうか。
「恋は雨上がりのように」多分原作読んだ後に映画観てたらオチに少しガッカリしてたかもしれない。絵としても物語のオチとしても原作の方が大団円的だから。
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
でも、それでもやはり映画のオチは本当に素晴らしいと思う。小松菜奈と大泉洋の存在にかけたあのオチ。
ふせったーより引用
「恋は雨上がりのように」原作のオチでは店長とあきらは今後全く交流を持たないように見える。映画版では良き友人として支え合うようになる。決定的な違い。だのに、どちらも清々しく、納得のいく終わりに見える。
映画版のラストは原作と異なり二人は友達として連絡先を交換して終わる。これ原作のオチが示す意味とまるっきり違うやんと思ってたけど、もしかしたらあきら側から決定的な断絶を申し入れるシーンになってるのかも。
あきらは店長から背中を押され再び陸上を始めたけれど、確か面と向かって自分から断絶について持ちかける場面は、原作映画ともになかった気がする。
だとすれば、あの「友達として」発言は、自分で自分の恋心に決着をつけたということを、店長に伝えているシーンだったのではないだろうか。原作でもこの連絡先交換シーンはあるが、上手く文脈を変えて入れ込んだなと思う。
真っ正面から店長に恋の別れを告げたあの瞬間、彼女は雨宿りを辞めたのかもしれない。
■魅力的なキャラクター造形
「恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 3, 2018
実写版で一番素晴らしい改変、というかキャラクター造形の変更?は、はるかではないだろうか。原作では結構あっさり確執が解決するけど、映画ではエピソードを前後させたり色々して、すげぇいいキャラになってるんだよね。 pic.twitter.com/zfW3WuvZKK
「 恋は雨上がりのように」
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 3, 2018
メインの二人は勿論のこと、サブキャラ全員もアルティメットドはまり。特に前述したはるかと加瀬さん(アラン様最高!)、んで久保さん。久保さんは漫画だと一番デフォルメ効いたキャラなのに、濱田さんが演じると圧倒的な久保さん味を感じる。 pic.twitter.com/MVddmZgo7w
■原作、アニメ共に全部観た
さて……… pic.twitter.com/jj7IQdDLga
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 2, 2018
オチが完全にアニメオリジナルなんだけど、店長のオチとしては原作映画アニメトータルでアニメが一番好きかも。あきらのオチと関係性のオチはちと弱いかなぁ…。
— 光光太郎 (@bright_tarou) June 8, 2018
ふせったーより引用。
アニメ版恋は雨上がりのようにのラスト、店長の小説タイトルが「恋は雨上がりのように」だったのってアニメ版だけか?
■「フロントメモリー」最高。100回は聴いた。
抜群な掴み、清涼感溢れる演出の数々、さりげなく仕込む人間ドラマ、今ここから立ち上がるお話…「ロッキー」好きなオッサンにも、大泉洋大好きな若い子にも、アラン様推しの仮面ライダーオタクにもおススメしたい、大傑作邦画!!!ネットフリックスで観よう!!待ちきれないなら、レンタルだ!!!!
映画:ジョーカー ~俺の主観が最強よ~
こんにちは。
光光太郎です。
遅ればせながら「ジョーカー」を観てきた。時期的にもう観れないだろうな、と思っていたので散々ネタバレを踏んでいたが、まぁなんとか観れた。
ジョーカー、ひたすら煙草吸う姿がカッコいいよね。
— 光光太郎 (@bright_tarou) 2019年11月6日
これは「主観」についての映画だと思った。「気の持ちよう」でもいいかもしれない。
ホアキン・フェニックス演じるアーサーは最初、自分を弱者だと認識していただろう。病気持ちだし(恐らく)薄給だし頭もいいわけでなく字も汚いし喧嘩も弱い。だからこそ、助けてくれるはずのカウンセラーから軽く扱われても、ゴッサムスラムのガキからリンチされても、上司から理不尽に怒られても無抵抗だった。自分は弱者で何も出来ないのだからと。
序盤、彼は銃を手に入れる。肌身離さず「力」を持ち歩く。そして偶然、インテリチンピラを射殺してから、加速度的に彼の自己認識は変化していく。自分には力があるし、世間も自分を認識し始めた…自分への「主観」が変わった、自信を持ち始めたのだ。そこから彼はどんどん「カッコよく」なってゆく。コメディアンとして初めてショーに出ることにも挑戦した。
テンション昇り調子のアーサーだが、出生や母を巡る問題、そして憧れのコメディアンから馬鹿にされたことで、信じていた夢が瓦解してしまう。今まで彼を支えていた「主観」は一気に逆転し、憎しみの「主観」へと変貌するのだ。
そしてジョーカーへと変身する。信じたいものを信じ、やりたいことをやる。病気の笑いでなく、心から笑うためのことをするのだと。弱者を指差し笑いものにすることを「上品な笑い」と宣う奴を撃ち殺す。
アーサーは「主観」を転換させることで、自分が幸せになれる道を歩み始めたのだろう。社会道徳に照らし合わせればその行為は全く許されないが、クソの役にも立たず見向きもしない「客観」よりも「主観」なのだと。ある意味理想的な生き方だ。
「主観」は正しさとは別だ。アーサーの最初の殺人に意味を勝手に見出してピエロをシンボル化するのはマスコミや群衆の「主観」であり、アーサーの意図とは全く異なる。マレーの正しさは、一定の客層に支持される笑いを提供すること。アーサーの母親にも、トーマス・ウェインにも、ブルース・ウェインにも、彼ら自身の正しさの基盤となる「主観」がある。そしてそれは、他者の「主観」と相容れるとは限らない。
そもそもこの映画で語られていること自体、アーサーの妄想に過ぎないかもしれない。いや、誰が個人の「主観」を妄想であると断言できるのか?劇中、アーサーの憧れは絶望と憎悪へ変化したというのに…。
ジョーカーはバットマンのヴィランであるので、今作はヒーロー映画に対してヴィラン映画と言えるかもしれない。そして、私はヒーローに纏わる物語は全て教育物語、教訓を伝える物語であると思っている。では「ジョーカー」は反教育的な物語なのかと言えば、そうではない。むしろ生きる上での知恵を教えてくれている。
誰が何を考えているかなんて分からないんだから、信じたことを真実と思うしかない。
そして真実の対象にされた人は、その人にとってのヒーローやヴィランになる。
んでもって「真実」は変わりやすい。
これは日本の特撮ヒーローものでも散々テーマにしてきたことでもある。
さて、明日も空元気の「真実」を持って、仕事に行きますかね…。